挨拶と敬称
日本の挨拶といえばお辞儀。挨拶をする時、感謝の気持ちを表す時、謝罪をする時、誰かにお願いをする時、日本人はよくお辞儀をします。日本では辞儀が主流ですが、海外の多くの国では握手をするのが一般的です。握手の文化は幕末から明治にかけて日本にも入ってきましたが、やはり古来からの風習のお辞儀が大事にされています。とは言うものの、握手で挨拶されることもありますよ!海外経験が多い人ほどその傾向は強いです。
誰かに何かを手渡す時、日本では両手で持って渡すのが礼儀正しいとされています。これは名刺を手渡す時も同様です。名刺を受け取る際は、(折り曲げたりしないよう)敬意を持って扱うようにしてください。
日本人は通常、苗字の後に「さん」と言う敬称を付けて名前を呼びます。「さん」は英語のMr. / Ms. に相当する形ですね。より敬意を払うべき人物(特に顧客など)に対しては「さん」の代わりに「様」を使用することもあります。
海外の方の苗字は発音するのが困難なこともあるので、フォーマルな場面でなければ下の名前で呼ばれることもあるでしょう。ですから、「ロバートさん」や「ロバート様」と呼ばれても驚かないでくださいね。
すべきこと / してはいけないこと
座り方:膝を90度に曲げまっすぐ座るのが正しい座り方です。ただ、足を組んだり、女性であれば膝から下を斜めに揃えて座っても構いません。足を前に伸ばしたり、足の裏を人に見せたりしないようにしてください。
靴は汚いものと見なされるため、室内では靴を脱ぐのが一般的です。靴箱が置いてあったり、玄関との分かれ目あったりする場合は「靴を脱ぐ合図」ですので参考にしてください。
1日に何度も靴を着脱することもあるので、着脱しやすい靴がオススメです。(加えて、寺院や神社を訪れる際は、厚手の靴下を準備すると良いですよ。)
靴を脱ぐように言われた場合、大抵は室内用のスリッパが準備されています。トイレスリッパはトイレ専用なので他の部屋に履いてきてしまわないようご注意ください。
畳の上は靴やスリッパを履いて歩いてはいけません。
公共の場で鼻をかむことは失礼だと見なされるため、なるべくプライベートな空間で行うようにしましょう。新型コロナウィルス後の「ニューノーマル」では特に敬遠される事象になると思います。
飲食時のマナー
お寿司は横に寝かせてネタに醤油を付けて一口で食べます。(日本人でも実は知らない方が多いです。シャリに醤油がつくとボロボロとこぼれて食べづらくなります。)素手で食べてもお箸で食べても大丈夫ですが、基本的には「手で食べることが良し」とされています。
お米は何もかけずに食べることが多いです。そう、日本人は「白米」が好き!だけど、干物や、納豆、ふりかけなどと一緒に食べることも多いです。海外の方にとっては馴染みの薄いものとよく一緒に食べることが多いですが、日本に来たら是非トライしてみてください。
食事の際、口をお皿に近づけるのはあまり良いマナーとされておらず、基本的にはお皿を持ち上げて食材を口まで運ぶようにします。(熱すぎて持てない)汁物のどんぶりや(持つのが困難な)大皿は別ですが、ご飯茶碗などは口の近くに持ち上げて食べるようにしましょう。
ちなみに、ラーメン、うどん、そばなどの汁を飲み干すことはマナー違反ではありません。スープが冷めることで「旨味」が引き出されるので美味しいですよ。ただ、スパゲッティなど西洋料理の場合は許されないのでお気をつけください。不思議ですよね。
ご飯にお箸を突き刺したり、お箸同士で物を渡したりすることは、葬儀の際に行われる慣習として忌み嫌われるのでやめましょう。
飲み会では手酌をせずに他の人にお酒やビールなどを注いでもらうのが好ましいです。ただ、家族間では特に気にしなくても良いでしょう。
タバコ
2020年4月から新法が施行され、公共の場での喫煙が厳しく制限されるようになっていますが、居酒屋などのカジュアルなレストランやバーでは喫煙可能としているお店も多いです。そういう所では分煙されていなかったり、喫煙ブースがなかったりするお店もあります。
ただし、東京や京都など特定の地区では路上喫煙が禁止されています。喫煙は喫煙可能エリアでのみするようにしてください。
また吸い殻などのポイ捨てはやめてください。日本人の喫煙者の多くは携帯灰皿を所有しています。日本を清潔に保つための細やかな心遣いとして携帯灰皿のご準備をお願いします。