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【お台場】日本科学未来館 – 未来について考えるきっかけをくれる場所

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2023年8月の終わり、東京のお台場にある【日本科学未来館】に子供を連れていってきました。科学館と言うと少し堅苦しく説明も難しい印象があったのですが、日本科学未来館は楽しく学べる工夫がたくさんあって、“科学館”という響きからは想像もできないほど面白い場所でした。

どれくらい楽しい場所かというと・・・5歳の娘が保育園で書いた「夏の思い出」に「科学未来館に行ったのが楽しかったです」と書くほど!今でもしきりに「また科学未来館いきたい」と言っています。

未来館は、ゆりかもめ「東京国際クルーズターミナル駅」からは徒歩約5分、「テレコムセンター駅」からは徒歩約4分、東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」からは徒歩で約15分の場所にあります。

私はりんかい線の「東京テレポート駅」から歩いて行ったのですが、シンボルプロムナード公園を通ってダイバーシティ東京プラザの前を通り過ぎるルートが信号も少なくおすすめです。余談ですが、シンボルプロムナードは紫陽花がとっても綺麗に咲きます!紫陽花の時期にお台場に行かれた際は是非寄ってみてください!

日本科学未来館は2001年に「科学技術を文化として捉え、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合うための、すべての人々にひらかれた場」の理念のもと開館しました。

常設展が展示されているのは1階、3階、5階の3フロアで主に3つのテーマで展開されています。それではそれぞれ簡単に見ていきましょう。

地球とつながる

46億年の地球の歴史の中に、人類はどのような位置付けなのでしょう。また、未来ではどのように地球とつながっていくのでしょう。地球上の生命と環境が自分とどうつながっていくのかを最新の科学を使って考えるゾーンです。

このゾーンは日本科学未来館の顔ともいえる大きなLED地球儀「ジオ・コスモス」を中心に、1階から5階まで展開しています。

10,362枚にもおよぶ有機ELパネルで形をなしている「ジオ・コスモス」の画面上には気象衛星が撮影した画像データを毎日取り込むことで、刻々と変化する地球の姿を実感できるコンテンツとなっています。通常は写真のような気象映像が映し出されていますが、未来の地層や民族や言語の統計データ、各国の政治経済等の統計データが映し出されることも。

「ジオ・コスモス」は1階のシンボルゾーンでも見られるのですが、なんとここは無料ゾーンなのです。寝転がれるソファが準備されているので、ここでのんびりと地球の動きを眺めるのもおすすめです。

ジオ・プリズム

3階と5階は「ジオ・コスモス」をとりかこむスロープ「オーバルブリッジ」でつながっています。上下左右あらゆる角度から地球を眺められます。

5階にある「ジオ・スコープ」ではタッチパネルによる簡単な操作で地球上の情報を視覚的に知ることができます。知りたい事柄のブロックを外枠中央に置くと画面上に表示される仕組み。

世界をさぐる

5階で展開されている「世界をさぐる」ゾーンは、私たちをとりまく世界のしくみをさまざまなスケールでさぐります。

色々な展示があったのですが、ここでは特に印象に残った展示を少しだけ紹介します。というより実はこの日は先に企画展「月でくらす展」を鑑賞していて、それがとても面白くってこのゾーンに来た時点でもう閉館の時間が近づいていて回りきれなかっただけなので、きちんと見られた展示が少ないのです。夕方になると体験できる展示などは受付を締め切っているものも多かったので早めの来館を強くおすすめします!!

話が逸れましたが、このゾーンで私たちが楽しんだのは「ぼくとみんなとそしてきみ」

生き物の中で私たち人類にしかないことを仕掛け絵本仕立てで見せてくれています。自分の感情はどのように脳が信号を出しているのか視覚的に見られたり、ふたりで、またみんなで私たち人類はどのように考える性質を持つのかを学べる展示です。

絵本をめくるのにボタンを押したりハンドルを回したりしないといけないので子供にとってはちょっとしたアトラクション。

このゾーンには他にも興味深い展示がありますよ。

「こちら、国際宇宙ステーション」

国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙居住棟展示では、の展示では、宇宙での暮らしやそこで行われている研究成果を見ることができます。

「100億人でサバイバル」

地震や噴火などの自然災害だけでなく、科学が発達した現代だからこそ発生する感染症の拡大、異常気象の増加、原発事故など、思いもよらなかった新たな災害が起こる仕組みや被害について学ぶとともに、この地球で生き延びていくためにいま、なにをすべきか考えさせられます。

未来をつくる

3階で展開されている「未来をつくる」ゾーンでは私たちが望む未来について考え、実現するためにはどうすれば良いのかを考えるゾーンです。

「未来逆算思考」

50年後に地球に暮らす子孫にどのような世界を残していきたいかをゲーム感覚でアクティブに体験する展示。

まずはどのような世界を残したいいか考えて自分が選んだ世界をスタンプします。どの選択肢もポジティブ面・ネガティブ面があってどれか一つを選ぶなんて至難の業に感じました。

娘は「エネルギーを持続させたい」を選んでいました。理由は「車にたくさん乗って、日本全国を旅行したいから」とのこと。まだ5歳なので50年後のことを考えることはまだ困難でピンときていなかったようですが、自分の近い未来としてちゃんと考えて選択したようです。普段意識していないことを考えるきっかけをくれる展示となっていたようです。

さあ、自分が選んだ未来で50年持続時間をのばせるかゲームに挑みます。障害物にあたらないように指でルートを描いてゴールを目指します。ポイントをゲットすれば地球の寿命を伸ばせ、障害物にあたれば寿命が短くなったりゲームオーバーになるのですが、よく理解していなくて即地球滅亡してしまいました・・・。

「アンドロイド― 人間って、なんだ?」

ものすごいスピードで人間に近づいているアンドロイド(人間に似たロボット)を展示。人間にそっくりなアンドロイドですが、より科学が発達して人間と見分けがつかないほどになったら何をもって「人間」というのかを考えさせられます。

機械人間「オルタ」複雑な動きで人間らしさを表現します(2023年8月31日で展示終了)
オトナロイド

「インターネット物理モデル」

インターネットで情報が伝わるしくみを、0と1の「2進数」を表す白と黒のボールで視覚化しています。

「ノーベルQ」

未来館の活動へ理解や協力をしてくれたノーベル賞受賞者たちから「来館者にいつまでも考え続けてもらいたい問い」をメッセージとして紹介しています。

工夫を凝らした展示はまだまだあります。科学を通じて楽しく未来について考えられる日本科学未来館、是非訪れてみてください。

日本科学未来館

住所〒135-0064 東京都江東区青海2丁目3番6号
電話番号03-3570-9151
開館時間10:00~17:00(入館券の購入および受付は16:30まで)
休館日火曜日、年末年始(12月28日~1月1日)
※祝日、春・夏・冬休み期間等は火曜日も開館する場合があります
入館料【常設展】大人630円、18歳以下210円、6歳以下の未就学児無料
※特別展等やドームシアターは別料金
ウェブサイトhttps://www.miraikan.jst.go.jp/