ゴルフコース

【湘南】湘南シーサイドカントリー俱楽部 – 湘南の海風を感じるリゾートコース

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東京オリンピックを巡ってはコロナ禍の最中に開催すべきか否かで世論が紛糾しましたが、競技が始まるとトップアスリート達の華々しい活躍に注目が集まり盛り上がりを見せています。やはりスポーツが持つ清々しさは見る人に勇気と活力を与えてくれる事を改めて実感させてくれました。

オリンピックの競技会場は大半が東京都内ですが、幾つかの競技は都内から離れた場所で開催されます。その一つが神奈川県江の島ヨットハーバー周辺の相模湾で開催されるセーリング競技です。前回の東京大会の際に造られた江の島ヨットハーバーに世界のトップセラー達が再び集結し、周辺海域で風や潮の流れといった大自然を相手に男女合計10種目が繰り広げられました。

この江の島を中心としたエリアは湘南と呼ばれ、太陽が降り注ぐ海岸でヨットやサーフィンを楽しむお洒落なリゾートとして若者を中心に絶大な人気を博しています。

湘南エリアには歴史情緒豊かな古都鎌倉や明治期から高級別荘地として開けた逗子・葉山などがありますが、その中でも人気を誇るのがサーフィン発祥の地とも言われマリンスポーツが盛んな茅ヶ崎です。茅ヶ崎を有名にした立役者としては加山雄三などが上がりますが、何と言っても地元出身の人気バンド・サザンオールスターズのリーダー桑田佳祐でしょう。茅ヶ崎を舞台にした多くの楽曲がヒットしてその人気を不動のものとし、茅ヶ崎は湘南の代表格となったのです。

茅ヶ崎は太平洋に面しているため夏は高温になりにくく、冬は比較的暖かく温暖な気候に恵まれています。しかし、海沿いに広がるこのエリアにはゴルフ場を造るスペースが限られているためコースの数は限られています。今回ご紹介する茅ヶ崎の「湘南シーサイドカントリー倶楽部」も相模川河口の限られたスペースを有効活用し、巧みに18ホールの本格コースを造り出しました。

このコースのルーツとなる「湘南シーサイドゴルフ練習場」がオープンしたのは57年前の1964年、そう前回アジア初の東京オリンピックが開催された年です。
当時の日本は終戦から20年足らずで都市インフラの整備状況は今日とは比べ物にならず、オリンピックに向けて大規模な建設工事が随所で行われました。その為、東京周辺の海岸や河川では工事に必要な資材である砂や砂利の乱堀が行われ、神奈川の大河川である相模川でも大規模な砂利採取が行われ跡地が放置される事態が生じました。

当時この近くで金属加工会社を営む平田龍雄は大のゴルフ好きが昂じて、相模川河口にかかる湘南大橋の下にゴルフ練習場を開設しました。しかし、彼の夢はこれで終わりではなく、飽くまで18ホールの本物のゴルフ場を造ることでした。

その後平田は周辺の相模川河口周辺の砂利乱堀跡地を買い上げては埋め戻して整地し、1967年11月に「湘南シーサイドカントリー俱楽部」を9ホールで仮オープンしました。その後も買収を続け、練習場開設から5年後の1969年7月に18ホール、全長6,750ヤード、パー72の本格ゴルフ場をオープンするのです。コース設計は平田自身が行い、正にゴルフ好きの彼にとっては夢の実現です。奇しくもオープン前日には人類が初めて月面に立つと言う夢を実現したアメリカの宇宙船アポロ11号が無事地球に帰還しています。

しかし、開設直後に思わぬ事態が起こりました。1970年神奈川県からゴルフ場敷地の一部を下水道処理施設建設用地として接収すると言う命令が下されたのです。その後交渉の結果、ゴルフ練習場に隣接する海沿いの3ホールと駐車場やクラブハウス用地が県に接収されましたが、交換した代替地にそれらを移設する事になりました。
工事は長期に亘り、クラブハウスの新設やコースの移設工事が終わって現在の姿で新たにオープンしたのは1985年です。コース北側の代替地に移設された1番、8番、9番ホールとの間には公道が走るため、移動の際には一旦カートを降りて徒歩で道を渡る必要がありますが、結果的にこの3ホールは大きな池を囲む美しくも難易度の高い名物ホールとなりました。

このように限られたスペースに巧みに造られた18ホールですが、オープンから50年を経てコースをセパレートする木々も大きく育ち、グリーンなどコースメンテナンスも良くて河口部の河川敷に造られたコースとは思えない風格を備えています。また、海に近く温暖な湘南と言う土地柄もあり、コースにはヤシや蘇鉄などの南洋植物も配されて美しい南国のリゾートコースのような雰囲気も漂い、非日常を感じる不思議な魅力を持ったコースです。

それでは幾つかのホールを見て行きましょう。
スタートホール1番(553ヤード、パー5)はヤシの木に沿って広がる大きな池を廻るロングホールで、天気が良ければティーグラウンド正面に富士山が望める美しいホールです。池を避けてティーショットを左側に打ちたくなりますが、二打目の距離が残るので勇気を持ってフェアウェーセンターをキープしたいホールです。

続いて2番ホール(432ヤード、パー5)は距離の短いロングホールですが、まるで林の中にあるようなティーグラウンドの正面には高い松の木が数本行く手を妨げるように立ち、ティーショットでその上を越える事は至難です。ギャンブルのように運を天に任せてショットを打ち、林を上手く抜ければ左にドックレックした先に小さめのグリーンがあります。

4番(411ヤード、パー4)距離のあるミドルホールで左ドックレックですがコース左側はフェアウエーギリギリまで木が密集しグリーンを直接狙うのが難しいです。

7番(135ヤード、パー3)距離は短い箱庭のような美しいショートホールですが、ティーグラウンドからグリーンの間は池とクリークがあり、正確な飛距離でグリーンを捉える必要があります。

6番(379ヤード、パー4)は真っすぐなホールですが、170ヤード付近に高い松の木がコース両側にゲートのようにそびえ立っています。この木の間を正確に打ち抜くショットが求められ、万一木に当たるとボールを見失う事になりかねません。

8番(544ヤード、パー5)大きく左にドックレックし、ティーショットは200ヤード以下で正面の池に入ってしまうので、ティーショットは左側バンカーの上を狙う必要がありますが、曲がり過ぎるとOBとなってしまいます。

9番(155ヤード、パー3)ティーグラウンド正面にはグリーンまで続く大きな池があり、天気が良ければ富士山も見える美しいホールですが、ティーショットはプレッシャーを感じます。

11番(321ヤード、パー3)フェアウエーは広く距離も短いホールでパーを取りたいですが、フェアウエーに何本かの木があるので、それを上手く避けるのがキーとなります。

13番(117ヤード、パー3)最も海に近いところに位置する短いホールですが、用水路を越える必要があり海風の影響も受けやすいので強いメンタルが求められます。

14番(532ヤード、パー5)距離のあるロングホールですが、フェアウエーは広いのでのティーショットを含め、各ショットを伸び伸びと打つことが出来る気持ちの良いホールです。

17番(177ヤード、パー3)ティーグラウンド正面の大きな池が150ヤード先まで続く距離のある難しく印象的なショートホールです。プレッシャーに負けずきちんとしたティーショットを打つ必要があります。続く最終18番(460ヤード、パー5)もティーショットで用水路を越える必要があり、疲れのでる終盤の2ホールで強いメンタルを保たないとスコアが大きく崩れる事があり最後まで気が抜けません。

このようにコースはフラットで高低差は殆どなく距離も短めですが、随所に配された池や大きく育った木々が効果的なハザードとなり、ガードバンカーも深く戦略性の高いレイアウトとなっています。特に海風が吹くと難易度が上がり、リゾート気分で甘く見てかかると思わぬ結果を生む事になります。

しかし、都心から車で東名高速、圏央道経由で1時間、電車でも東京駅からクラブバスの出る最寄りの茅ヶ崎駅まで1時間弱と交通の便もよく、温暖な気候もあってオフシーズンは無く一年中快適なゴルフを楽しむことができます。レストランの食事も美味しく、食事だけを楽しむためにコースを訪れる湘南のご近所さんもいるそうです。

古都鎌倉観光や江の島・湘南でのマリンスポーツとの組み合わせが出来るのも魅力です。是非都心から最も近い海辺のリゾートコースをお楽しみ下さい。

湘南シーサイドカントリー倶楽部

住所神奈川県茅ヶ崎市中島1567
電話番号0467-82-7111
ウェブサイトhttp://shonanseaside.com/