【宇都宮】サンヒルズカントリークラブ – 名匠ロバート・トレント・ジョーンズJr. に屋外のチェスゲームを挑む36ホール

【宇都宮】サンヒルズカントリークラブ – 名匠ロバート・トレント・ジョーンズJr. に屋外のチェスゲームを挑む36ホール

栃木県中央部宇都宮市近郊にあるサンヒルズカントリークラブは著名なアメリカ人コース設計者であるロバート・トレント・ジョーンズJr.が自然の地形を巧みに活かして設計した変化に富んだ36ホールの丘陵コースです。

1903年にオープンした日本で初めてのゴルフ場である神戸ゴルフ倶楽部はスコットランド人設計家J・アダムソンとJ・マクマトリーの設計と言われています。その後も多くのゴルフ場が外国人設計家により造られますが、中で最も著名なのはイギリス人チャールズ・ヒュー・アリソンではないでしょうか? 彼はオックスフォード大学で造園業を学んだ後にゴルフ場設計家の第一人者ハリー・コルトの助手から始めてその跡を継ぐことになります。そして1930年に来日すると廣野ゴルフ倶楽部や川奈ゴルフクラブの設計などを行いましたが、イギリス流コース設計を押し付ける事なく詫びさびの文化を理解しそれを織り込むなどして日本的なコース造りを行いました。

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▲ 川奈ホテルゴルフコース 富士コース

それまでのコースは赤星兄弟や大谷光明といった米国仕込みの名プレーヤーによるものでしたが、コース設計の専門家アリソンによって戦略的なコース設計が導入されるようになります。これ以降、多くの名コースを造りゴルフ場設計界の大御所となる井上誠一、上田治といったプレーヤーあがりではないコース設計家が日本にも誕生する事となり、アリソンは日本のゴルフ場設計の礎を築いた「設計家の父」とも言われています。

▲ 大洗ゴルフ倶楽部
▲ 川崎国際生田緑地ゴルフ場

そのアリソン来日から40年を経てやって来たのがアメリカ人設計家のロバート・トレント・ ジョーンズJr.です。彼は戦争で荒廃したオーガスタナショナルの修復などで有名な世界的なゴルフ場設計家であるロバート・トレント・ジョーンズ・シニアの長男として1939年ニュージャージー州で生まれました。名門エール大学やスタンフォード大学ロースクールを卒業後、父の仕事を手伝いながらゴルフ場設計を学び、やがて副社長として西海岸事業を統括した後に独立し、その後独自で日本の21コースを含む世界各地で200以上のコースを設計します。

彼の設計するコースは父をして「ナチュラリスト」と評するように、その土地の持つ自然な地形や景観等の素材をそのまま活かしたレイアウトとアンジュレーションのきついベントワングリーンが特徴的と言われます。また、彼はゴルフを「屋外でのチェスゲーム」と評し、プレーヤーに戦略的な思考を求めているのも大きな特徴と言えるでしょう。ゴルフはプレーヤーとコース設計者の知恵比べと位置づけ、自分なりのコース攻略法を考えてそれを実行する事でスコアメイクすると言うものです。

例えて言えば池越えのバディー狙いか、安全にフェアウェーセンターからパーやボギーを取りに行くべきか状況や自分の技量をよく考える必要があり、そのショットの価値をスコアと言う数字に置き換える発想から、株式や為替などの市場取引で使われる「リスク&リワード」と言う言葉で表しています。以前その世界にもいた者としては的確で分かりやすく、身につまされる表現ですね。

ちなみに2歳違いの弟、リース・ジョーンズは全米オープン7コース、ライダーカップ5コースなどの改造の実績から「オープンドクター」の異名を持つ設計家で、日本では2012年の茨木カンツリー倶楽部、2018年の太平洋クラブ御殿場コースなど有名コースの改造を手掛けています。母国アメリカでは兄は西海岸、弟は東海岸のコースを担当し、親子三人で世界各地に多くの名コースを造り出す偉大な業績を残しています。

▲ 太平洋クラブ 御殿場コース

そのロバート・トレント・ジョーンズJr設計のサンヒルズカントリークラブも例外ではなく、「自然と調和した美しさ」「コース戦略を考えさせる」と言う彼の設計思想が体現されたコースの一つだと思います。

1986年に「華厳カントリークラブ」として27ホールで開業し、その後経営が変わる中で1993年9ホールの増設やコース改造が行われ、2016年からはPGMの運営となりました。そのPGM傘下のコースの中でもハイグレードなコースを12コース選んだ「Grand PGM」の一つであり、その名に相応しい威厳と美しさを備えています。

イーストとウエストの合計36ホールですが、中でも距離があり深い森でセパレートされより戦略性が求められるイーストコースは高低差もありチャレンジングなチャンピオンコースと言えるでしょう。

それでもイーストコースのアウトはフェアウェーも広く伸び伸びプレーできますが、インに入ると水が絡んだり、谷越えやドッグレックなど多彩なレイアウトとなり難しさが増して来ます。

それでは多彩な個性を持つ各ホールを見て行きましょう。

1番ホール(360ヤード、パー4)スタートホールはフェアウェーも広く、緩やかな打ち下ろしで気持ちよくティーショットが打てます。右手のクロスバンカーを避けて左側から攻めたいです。

2番ホール(530ヤード、パー5)続く2番は広々とした1番ホールと違い、ティーグランド右手に200ヤード辺りまで続く大きな池があり、フェアウェーも右傾斜があって実際より狭く感じプレッシャーを感じるロングホールです。セカンド地点からもグリーンに向かって左右のOBが気になります。

3番ホール(353ヤード、パー4)も右手に池が絡む緩やかな打ち上げホールです。距離は短めでフェアウェーも広く感じますが200ヤード付近にある左右のクロスバンカーが効いています。グリーン右手には大きなマウンドがあり、奥からの傾斜もきつく油断できません。

6番(481ヤード、パー5)短めのロングホールですが、フェアウェーは右手にクロスバンカーが並ぶ地点から大きく右にドッグレックし、全体に右傾斜しています。グリーンは大きめで顎の高いバンカーにガードされています。

7番(161ヤード、パー3)緩やかな打ち下ろしでグリーン面が良く見えるショートホールです。フェアウェーの左右に1本づつ立つ木が気になるので、出来るだけ高い球で狙っていきたいです。

8番(377ヤード、パー4)比較的距離のある打ち上げのミドルホールです。やや縦長の砲台のグリーンは周囲に5つのガードバンカーがあり、奥からの下り傾斜が急なので手前から攻める必要があります。

9番(318ヤード、パー4)正面のクラブハウスに向かって打ちあげて行く比較的短いミドルホールですが、フェアエウェー右側に3つのクロスバンカーが並びティーグランドはその方向を向いているのでティーショットを打つ際は注意が必要です。

ランチの後の10番ホール(400ヤード、パー4)は1番同様に打ち下ろしのミドルホールですが、2打目付近から緩やかに右ドッグレックし、その付近には左右にガードバンカーと木立が並びフェアウェーが狭く感じられます。

11番(566ヤード、パー5)比較的長めのロングホールでティーグランド前左手には大きな池がありティーショットはプレッシャーを感じます。右側から狙う必要がありますが行きすぎると右傾斜の先にOBが待っています。グリーンは大きめですが、その左側手前にはまた別の池があるので注意が必要です。

12番(174ヤード、パー3)距離のある深い谷を越える印象的なショートホールです。高低差がなく、グリーン手前まで谷が続いてその先にはバンカーがあるためか実際の距離より長く感じられ、ティーグランドに立つと大きなプレッシャーを感じます。

13番(335ヤード、パー4)左ドッグレックのフェアウェーに沿って池が続く美しい打ち下ろしホールです。左の池を避けるとグリーン右手には大きなガードバンカーがあり、グリーンは奥に向かって傾斜がきついのでアプローチが難しいです。

14番(367ヤード、パー4)ティーグランド正前とフェアウェーの右側に大きな池があり、しかも奥の池はティーグランドから見えないうえ池に向かって傾斜している難しいミドルホールです。ティーショットを打ち終わると美しいアーチの石橋を渡ってフェアウエーに向かいます。

15番(398ヤード、パー4)距離は長いですがフェアウェーがグリーンまで真っすぐに続き、周囲の木々が美しいミドルホールです。

16番(365ヤード、パー4)フェアウェー左に池があり。右手には深い森と4つのガードバンカーが並ぶ打ち上げの難しいミドルホールで、プレッシャーを感じながらの正確なティーショットが求められます。

17番(153ヤード、パー3)ティーグランド正面に池がある印象に残る美しいショートホールです。池を越えるにはキャリーで150ヤード必要、池を越えても右側にはクリークが続いているので飛距離と正確なティーショットが必要です。

サンヒルズカントリークラブの素晴らしさはコースだけではありません。

パノラマ景観が楽しめるゆったりとしたクラブハウスには、最上級の和牛を提供することで有名な地元の焼肉店「南大門」が経営するレストラン「離宮サンヒルズ」が今春オープンしました。

そして良質なアルカリ単純泉の天然温泉が湧く広々とした大浴場には石造りの露天風呂やサウナ・ジャグジーなどが完備され、ラウンドの疲れを癒してくれます。

そのクラブハウス直結で宿泊プレーに便利なホテルは解放感溢れる高い天井の廊下が印象的で、茶色を基調とした色彩で木のぬくもりが感じられる上品な造りです。

別棟には迎賓館のような「ザ・ロイヤルハウス」やグループで利用するのに便利でカジュアルなログハウス・コテージ8棟も用意され、一部はペット同伴可能だそうです。

東北自動車道宇都宮ICを降りて7分、都内からも1時間半でこのリゾート感は格別です。自然と調和した美しい舞台で名匠ロバートレントジョーンズJr.のコース設計戦略と勝負する「屋外のチェスゲーム」を楽しんでみませんか。

サンヒルズカントリークラブ

住所:栃木県宇都宮市上横倉町1000番地
TEL:028-665-4111
ウェブサイト:https://www.pacificgolf.co.jp/sunhills/