沖縄の東海岸、南城市に佇む斎場御嶽(せーふぁうたき)に行ってきました!
御嶽(うたき)とは?
御嶽(うたき)とは、沖縄や奄美地方に広く分布している「聖地」の総称です。神聖な場所として信仰されている森や岩、丘などのことを指します。古くから、神々が宿る場所として、祈りや儀式が行われてきました。特に琉球(現在の沖縄)の伝統的な宗教では、自然の中に神が存在すると考えられ、御嶽は人々の暮らしと深く結びついていました。
斎場御嶽(せーふぁうたき)とは?
斎場御嶽(せーふぁうたき)は、沖縄本島南部の南城市にある御嶽の一つで、琉球王国の最も重要な聖地とされています。「せーふぁ」は「最高の」、「うたき」は「神聖な場所」という意味があり、「最高の聖地」という意味を持ちます。
琉球国王が国家繫栄・安寧・五穀豊穣・航海安全などを神に祈願した場所であり、特に「聞得大君(きこえおおきみ)」という最高位の女性神官が即位する儀式を行う場所でもありました。聞得大君は琉球王国最高位の権力者である国王と王国全土を霊的に守護する存在とされたため、国王の姉妹など王族の女性が任命されました。

それでは実際に行ってみましょう!
入場券は斎場御嶽から徒歩5-10分ほど離れた場所にある南城市地域物産館で購入します(私は徒歩7分で斎場御嶽まで到着しました)。斎場御嶽では入場券を購入することができないのでご注意ください。


斎場御嶽へと続く道の前には係の方が立っていたので迷わずにたどり着くことができました。受付(緑の館・セーファ)で入場券を渡します。御嶽内を散策する前にまずは斎場御嶽について短いビデオを鑑賞します。


散策をはじめると、すぐに現れたのが久高島遥拝所。
久高島は琉球を創ったとされるアマミキヨが天から降りて最初につくった「神の島」と言われています。歴代の琉球国王は17世紀まで2年に1度の久高島参詣を欠かさなかったそうです。
ここからはその久高島を遠くに眺めることができるスポットです。


斎場御嶽には 6つの「イビ(神域)」 があります。「イビ」は、琉球の聖地で特に神聖とされる場所で、祈りが捧げられる場所です。そこへ向かうために通るのが御門口(ウジョウグチ)です。なかなか傾斜のきつい坂道があるので足元には十分気を付けて!

大庫理(ウフグーイ)
御門口を登っていくと左手に見える最初の拝所です。大庫理(ウフグーイ)は「大広間」という意味を持ちます。聞得大君が儀式を行った斎場御嶽の中でも特に重要な神聖な空間です。

寄満(ユインチ)
「台所」を意味する寄満(ユインチ)は、実際に調理をここでしていたとういう事ではなく、貿易が盛んだった当時の琉球の「豊かさ」を象徴する場所だそうです。

アユダユルアシカヌビーの壺 と シキヨダユルアマガヌビー
鍾乳石から滴り落ちる「聖なる水」を受けるために置かれた二つの壺。雨の日に溜まった水は神聖なものとされ、儀式で使用されました。

三庫理(サングーイ)と チョウノハナ
斎場御嶽の中でも最も有名なスポット。三角形に配置された巨大な岩の間を通る神聖な場所です。三角形の空間を突き当たり右側にはチョウノハナという拝所があります。以前は入ることのできた三庫理(サングーイ)ですが、岩が崩れる危険性を考慮し、安全のため現在は立ち入り禁止となっています。

日本本土にも古くからアミニズム(精霊信仰)があり、そこから神道に発展したと考えられています。自然や祖先の霊などを含めあらゆる神様が存在すると考え、その神様を神社など目に見えて分かる形で祀っているのが神道です。
今回、御嶽を訪れてみて分かったのは、アミニズムを基本としながらも、神道とは信仰やお祈りの仕方が異なるということです。神様が宿っているところは極力人の手を介さず、ありのままの姿で祈りを捧げ、またその方法にも決まった作法がないという事がわかりました。
実は、最初は「岩がたくさんある場所」という印象だったのですが、徐々に琉球地方にとってとても大事な場所で、なんとも言い難い神聖な空気を纏った地だと感じました。そう感じられる点が「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして、世界遺産に登録された理由なのでしょうね。
皆様も実際に訪れて、この神聖さを感じてください!
斎場御嶽
住所 | 沖縄県南城市知念久手堅453 |
電話番号 | 098-948-4660(南城市観光協会) |
開館時間 | 【3月~10月】9:00-18:00(最終チケット販売 17:15 / 最終入場 17:30) 【11月~2月】9:00-17:30(最終チケット販売 16:45 / 最終入場 17:00) |
休息日 | 【2025年】5月27日(火)-5月29日(木)/ 11月20日(木)-11月22日(土) 【2026年】6月15日(月)-6月17日(水)/ 11月9日(月)-11月11日(水) 【2027年】6月5日(土)-6月7日(月)/ 10月29日(金)-10月31日(日) |
入場料 | 【大人】300円 【小人(小・中学生)】150円 ※6歳未満無料 |
ウェブサイト | https://okinawa-nanjo.jp/sefa/ |