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【沖縄】今帰仁城跡 & 備瀬のフクギ並木 – 沖縄の歴史と絶景

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首里城をはじめ、かつて沖縄にはいくつかの城(グスク)がありました。その中の5つの城は琉球王国時代の歴史や文化を示す重要な遺跡として世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」に登録されています。今回はそのひとつ、沖縄本島北部にある今帰仁城跡(なきじんじょうあと)を訪れました。

今帰仁城とは

今帰仁城跡(なきじんじょうあと)は、かつて琉球王国成立前の北山王国の拠点だった城跡です。標高約100mの高台に築かれたこの城は、広大な石垣と青い空・海とのコントラストが美しく、まるで過去へとタイムスリップしたような感覚を味わえます。

今帰仁城の歴史

今帰仁城は、琉球の中でも歴史の古い城の一つで、13世紀末~14世紀頃に築かれた と考えられています。14世紀に沖縄本島北部を治めていた北山王の居城として築かれましたが、15世紀初頭に尚巴志(しょうはし)が琉球を統一すると北山王国は滅亡。以降、この地は琉球王国の重要な拠点の一つとなりました。16世紀頃からは衰退し、次第に廃城となりましたが、地元の人々は城跡を神聖な場所として守り続けてきました。

日本本土の城と沖縄の城(グスク)の違い

日本本土(本州・四国・九州)の城と沖縄の城(グスク)には、構造や目的、築城技術 などに大きな違いがあります。まずはどのように違うのか簡単におさらいしましょう。

  • 構造と築城技術
    – 本土の城は、敵の攻撃を防ぐために天守閣(高い建物)があり、城の中心部を防御する「本丸」「二の丸」などがありました。
    – 沖縄の城(グスク)は、石垣を曲線的に積み上げることで美しさと強度を両立し、丘の上などに築かれました。
  • 戦い方の違い
    – 本土の城は、戦国時代の武士たちが戦闘の拠点とし、鉄砲や弓を使った攻防戦がありました。
    – 沖縄の城(グスク)は、石垣を曲線的に積み上げることで美しさと強度を両立し、丘の上などに築かれました。
  • 文化的な違い
    – 本土の城は、戦国時代の武士文化が反映され、格式ある建築様式が採用されました。
    – 沖縄の城(グスク)は、中国や東南アジアの影響を受け、装飾が少なく、実用的な造りでした。

今帰仁城跡の見どころ

最大の特徴は、総延長1.5kmにも及ぶ壮大な石垣。野面積み(のづらづみ)と呼ばれる自然石を巧みに積み上げた造りが特徴で、まるで大蛇がのたうつような曲線美を描いています。この石垣の上から眺める景色は圧巻で、遠く東シナ海まで一望できます。

兵郎門は城の正門にあたる場所で、ここから城内に入ります。現在見る門は昭和37年の琉球政府時代に修復されました。琉球国由来記に「北山王者、本門、平郎門ヲ守護ス」として登場します。

平郎門から直線的に伸びている上記の石階段は1960年代に整備されたもので、本来は石敷きの小道を利用していたそうです。曲がりくねった大きな岩盤の谷間を利用し、防衛機能上から幅は狭く急なのぼり道となっています。

政治・宗教儀式が行われたと考えられる場所で、首里城の御庭(うなー)と同様の機能を有していた場所と考えられている大庭(ウーミャ)

城内で最も中心的な建物があった場所、主郭。主郭、北殿、南殿は大庭を囲むように配置されていたと考えられています。

さらに奥に行くと、志慶真門郭(しげまじょうかく)という場所にたどり着きます。ここには城主に仕えた身近な人々が住んだと考えられて、発掘調査によって4つの建物があったことが分かっています。

御内原(ウーチバル)はかつて「女官部屋(にょかんべや)」があったといわれるところです。北端からの眺望は場内で最も良く、石垣をはじめ今帰仁村全域、晴れた日には遠くの与論島まで眺められる絶景ポイントです。

毎年1月中旬から2月初めにかけては寒緋桜(カンヒザクラ)が咲き誇り、桜の名所としても親しまれている今帰仁城跡。私が訪れたのは1月上旬でしたが、すでに咲いている木もありましたよ。東京よりも3か月弱早くみられる桜に幸せな気持ちにさせてもらいました。

ほぼ石垣しか残っていないとはいえ、日本本土とは異なるお城の在り方に琉球でのグスクの役割やその歴史を学ぶ良いきっかけとなりました。また、長く続く石垣と海のコントラストが美しく惚れ惚れとし、沖縄の好きな場所がひとつ増えました。

さて、今帰仁城を楽しんだ後は、備瀬のフクギ並木へ訪れました。今帰仁城跡からは車で10分程度です。

備瀬のフクギ並木

本部町に位置する備瀬のフクギ並木は、まるで時間が止まったかのような静寂に包まれた場所。約2万本ものフクギ(福木)が立ち並び、まるで緑のトンネルのように美しい小径を作り出しています。この並木道は、もともと集落の防風林として植えられたものですが、現在では沖縄の原風景を残す貴重な観光スポットになっています。

フクギはこのエリア一体に立ち並んでいるので、散策時間は自分次第で調節可能です。路地をいろいろと散策していると沖縄らしいさーさーやハイビスカスに出会ったり。静寂の中で一期一会を楽しめる場所だと分かりました。

沖縄ではあちこちでみかける「石敢當(いしがんとう)」の文字。なんだろう?と調べてみると、魔除けとのこと。T字路や三叉路の突き当たりに置かれ、邪悪なもの(魔物や悪霊)が家に入るのを防ぐ役割を持っているのだとか。魔物はまっすぐにしか進めないと考えられていて、石敢當に当たることで砕け散るんですって。元々は中国の風水思想が起源とのことで、これも貿易が盛んだった沖縄ならではの風習なのでしょうね。

一通り散策をして駐車場へ戻ってくる道中、フクギ並木から海がのぞく場所を発見!さらに心が癒される瞬間となりました。

いかがでしたか?今回は沖縄本島・北部エリアにある今帰仁城跡と備瀬のフクギ並木をご紹介しました。沖縄旅行の参考になれば嬉しいです。

今帰仁城跡

住所沖縄県今帰仁村字今泊5101
電話番号0980-56-4400
営業時間通常期間
8:00 – 18:00(最終入場 17:30)
休日年中無休
入場料(有料区域)【大人】600円
【中高生】450円
※小学生以下無料
※今帰仁城趾・今帰仁村歴史文化センター(※両施設統一チケット)
ウェブサイトhttps://www.nakijinjoseki-osi.jp/