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【伊勢志摩】志摩観光ホテル – 絶景のなか「志摩時間」にゆったりと身をゆだねる滞在を

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世界における養殖真珠の歴史は伊勢志摩から始まりました。“真珠王”こと御木本幸吉が世界で初めて半円真珠に成功したのは1893年のこと。それから約120年が経過した今も英虞湾では真珠が育まれ、その輝きは人々を魅了し続けています。英虞湾は海岸線が複雑に入り組むリアス式海岸で、その穏やかな湾内には大小60余りの島々が浮かびます。その中にあるクラシックホテル、志摩観光ホテルを訪ねました。

志摩観光ホテルとは?

志摩観光ホテルは世界平和記念聖堂(広島県)や日生劇場(東京都)などを設計した有名建築家・村野藤吾氏設計の「ザ クラシック」、全室スイートルームの「ザ ベイスイート」、開業当時の姿を残す「ザ クラブ」の3つの建物からなる日本有数のリゾートホテルです。

1946年に第二次世界大戦後初の国立公園として指定された伊勢志摩。このエリアに洋式ホテルが必要であろうという意見が三重県を中心に話し合われ、1951 年に戦後初の純洋式リゾートホテルとして誕生しました。

開業当初より昭和天皇、皇后両陛下をはじめとする皇族や国内外の賓客、文学者などが訪れ、伊勢志摩の迎賓館としての役割を果たしてきました。「華麗なる一族」や「沈まぬ太陽」などを代表作とする作家・山崎豊子氏が定宿にしていたことでも知られています。「華麗なる一族」の冒頭『陽が傾き、潮が満ちはじめると、志摩半島の英虞湾に華麗な黄昏が訪れる。』は志摩観光ホテルの風景を描写されたものです。

Image Source: Shima Kanko Hotel

志摩観光ホテルが位置するのは英虞湾で最大の有人等「賢島」。最大と言っても人口約100人、周囲約7kmと1時間あれば島を1周できるほどの小さな島です。賢島は2016年にはG7伊勢志摩サミットの主会場となりましたがその理由のひとつは眼前に英虞湾を望む美しいロケーションでしょう。当時の首相・安倍晋三氏は「眼の前に広がる豊かな海、大小の島々や多くの入り江など美しい自然があります。まさに日本の「ふるさと」です。」と称賛していました。

ザ クラシック

村野藤吾氏設計の「ザ クラシック」は1969年に新館として竣工しました(現在では本館となっています)。その後2016年に耐震・改修工事を行っているので開業当時とは異なる部分もありますが、今でも要所に村野藤吾氏のエッセンスを感じられる造りとなっています。

エントランスロビーは木の温もりを感じられる温かみのあるデザイン。チェックインはゆったりと着席しながら行います。

Image Source: Shima Kanko Hotel

客室

計112室ある客室は全室オーシャンビュー。どの部屋からも英虞湾の穏やかさを感じられるプレミアムロケーションです。

エントリーカテゴリーのコンフォートツインは27~28平米。開業当初のクラシカルな雰囲気が漂うお部屋です。オレンジ色のクッションが英虞湾に沈む夕日のようですね。

プレミアムツインは36~40平米。モダンでスッキリとした印象です。2016年の改装時に水回りも刷新され使い勝手の良いセパレートタイプのバスルームとなっています。窓際にはソファの代わりにベンチシートが設置されています。英虞湾の風景を眺めながらゆったりとした時間を過ごせそうですね。

伊勢志摩サミットの際にはアメリカのオバマ大統領が宿泊したというロイヤルスイート(96平米)。村野藤吾氏設計を残すべく、水回りも敢えてそのままにしてあるのだとか。まろやかな曲線を描く村野氏の特徴はベッドボードやシンク、コーヒーテーブルにも表れています。クラシカルな雰囲気ももちろんあるのですが、洗練された色褪せないデザインが魅力的です。

ゲストラウンジ

2階には広々としたゲストラウンジが設置されています。ラウンジというと、クラブフロア以上に滞在のお客様のみが利用できるホテルが多いのですが、志摩観光ホテルでは宿泊客全員が対象となっています。オープン時間内(7:00~22:00)なら、コーヒーや紅茶、お菓子が無料で楽しめる上、ビールやワインなどのアルコール類も無料でいただけます。

Image Source: Shima Kanko Hotel

ラウンジ内にはホテルの来歴を大切にしながら選んだ数百冊の書籍が読める「リーディングルーム」、こだわりの音響でお好きなレコードを楽しめる「リスニングルーム(予約制)」も。自分の好きなように過ごせる贅沢な空間です。

レストラン

志摩観光ホテルは伊勢志摩の贅沢な食材を使った料理のすばらしさでも高い評価を受けています。「ザ クラシック」「ザ ベイスイート」「ザ クラブ」とホテル内のすべてのレストランを統括し調理に関わる総料理長の樋口宏江氏は、伊勢志摩サミットでワーキングディナーを担当し、伊勢志摩の豊かな食材を使ったフランス料理で各国首脳をもてなしました。彼女の料理の根幹を貫くのは「伝統と革新」。

鮑ステーキ、伊勢海老クリームスープがスペシャリテのフレンチレストラン「ラ・メール ザ クラシック」ではホテルが受け継いできた伝統的な「海の幸フランス料理」を用意しています。

レストランの一角には日本生まれのフランスの画家・藤田嗣治氏(レオナール・フジタ)の作品「野あそび」が飾られています。元々は百貨店の装飾絵画として描かれた日本に残る大作のひとつです。これ以外にも館内には多数の絵画が飾られているのでアート鑑賞も是非楽しんでください。

ザ ベイスイート

英虞湾の絶景を臨み、全客室がスイートルームの「ザ ベイスイート」は2008年にオープンしました。50室ある客室はすべて100平米以上の広さがあるスイートルームという贅沢さ。

Image Source: Shima Kanko Hotel

チェックインはスタイリッシュな椅子に座って行うスタイル。ラウンジの前に揺れる水盤を眺めていれば、手続きの間に旅の疲れも忘れリラックスモードになることでしょう。

客室

スーペリアスイート(100平米)には開放的なバルコニーが設置されています。また、一部の客室の浴槽は、英虞湾をのぞむように設計されているのでお風呂に浸かりながら絶景を愛でるのも良いですね。

Image Source: Shima Kanko Hotel

客室アメニティは「ミキモト コスメティックス」。伊勢志摩らしさを感じられる演出です。

ゲストラウンジ

「ザ ベイスイート」のゲストラウンジにはG7伊勢志摩サミットで首脳たちも訪れた屋上庭園があります。屋上からの絶景パノラマ、ベイスイートにご滞在ならば是非堪能していただきたい。

Image Source: Shima Kanko Hotel

レストラン

「ザ ベイスイート」には2つのレストランがあります。

ラ・メール」ではクラシックなフレンチを提供する「ラ・メール クラシック」に対し、モダンフレンチをコンセプトにしています。

また、「浜木綿」では伊勢志摩の四季折々の素材の味を生かした和食を味わえます。季節や風情を感じるプレゼンテーションも楽しみなポイントです。

ザ クラブ

1951年開業当時の建物を現代に残しているのが「ザ クラブ」。宿泊施設としての営業は終了しており、現在は村野藤吾氏の意匠を色濃く残しつつ、カフェ、鉄板焼きレストラン、志摩観光ホテルの歴史を辿るクロニクル、G7伊勢志摩サミットのメモリアルコーナーとしての役割を果たしています。


原風景とも言われる美しいリアス式海岸のおかげでしょうか。海のリゾートホテルのはずなのに大地にも抱かれているような感覚がする「志摩観光ホテル」。70年以上の年月をかけて育まれてきた伝統のおもてなし精神も相まって、この地でしか感じることのできない穏やかで安心した気持ちになります。時の進みが異なるようなゆったりとした「志摩時間」、あなたも感じてみませんか?

志摩観光ホテル

住所三重県志摩市阿児町神明731
電話番号0599-43-1211
ウェブサイトhttps://www.miyakohotels.ne.jp/shima/