「光の館」は光のアーティスト、ジェームズ・タレルが2000年の第1回「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で生み出した作品です。実はここ、宿泊施設でもあるのですが、作品鑑賞に訪れることも出来ます。
先にも書きましたが、ここは宿泊施設でもあるため、一般客が鑑賞できる時間は他の美術館よりも短く、11時30分から15時までとなっています。
建物を目前に受付所があるので、そちらで鑑賞券を購入します。毎回そうなのかは分からないのですが、私が訪れた際は鑑賞券販売をしてくれた方が作品案内をしてくださいました。
建物は2階建てで、入り口は2階になるため、まずは階段を登っていきます。
館内作品「Outside in」
玄関で靴を脱ぐと右側のお部屋に案内されました。外から見ると、屋根が二重になっている部分です。
お部屋の内部はこんな感じ。部屋上部から天井が白く塗られています。
目線を天井に向けると…ん?四角い茶色の部分が見えます。この茶色の部分、実は屋根なんです。
この部屋の屋根は可動式で、案内の方が屋根を動かしてくれました。すると、みるみるうちに空が天井に現れました。
この日は曇り空でしたが、雲の動きが早く、私が見ていたわずかな時間でも天井から覗く空は表情をコロコロ変えていて面白かったです。晴れた日はここから青空がのぞいて綺麗なんだろうなあ。雨だとお部屋が濡れてしまうので、屋根を開けられないこともあります。
どんな風景になるのかはその時の天候次第ということで、一度として同じものがないというのが、なんとも魅力的に感じました。
廊下の雰囲気も素敵でした。廊下に鮮やかな緑が反射して綺麗。
館内作品「Light Bath」
1階に移動して浴室も見せていただきました。浴室には光ファイバーに寄る照明が施されていて、ボヤーっと綺麗なライトが見られます。私が見たときは外の光も結構入っていてあまりわかりませんでしたが…。雨でくらーい日だったらもっとよく見られるかな??
夜はこんな感じみたいです。
「Outside in」が空から降り注ぐ光ならば、「Light Bath」は室内の光。ジェームズ・タレルは室内の光として、水の光を見下ろすようにしたいと思いこの作品を作ったのだとか。
紹介した以外にも、部屋から見える風景が綺麗だったり、細部にまでジェームズ・タレルのこだわりが伝わってきたりと素敵なポイントがまだまだありました。それは、実際に訪れた際に見つけて見てください。
宿泊施設としての「光の館」
こんな素敵な空間に泊まってみたい!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際に宿泊施設として機能している建物なので、物理的には可能なのですが、個人的にはオススメは出来ません。理由はいくつかあります。
食事問題
基本的には食事はつかない素泊まりでの対応となります。夕食は別料金で手配可能なのですが、朝食は手配不可です。キッチンが備え付けられているので、自炊するのは可能ですが、そのためには食材等を事前に準備しなくてはなりません。また、ちょっとお腹が空いたと思った場合、近くにお店があれば良いのですが、車でも数分走らせないとコンビニもありません。
スタッフが常駐しない
宿泊施設であると共に、美術作品でもあるこの建物では、他の宿泊施設とは異なりスタッフが常駐しません。そのため、布団の上げ下ろしや備品の片付けはお客様自身で行わなければならず、日本のことをよく分からない外国のお客様にはハードルが高いと言えます。
最大3組でシェア
居室が3部屋なので、他のお客様とキッチンやリビング(Outside in)、浴室(Light Bath)をシェアする可能性があります。特に浴室などは他のお客様と相談しあって入る順番を決めないと鉢合わせしてしまうかもしれません。他のお客様が英語など多言語に精通していない場合もあり、コミュニケーションを取るのが困難なこともあると思います。
まとめ
光のアーティスト、ジェームズ・タレルの作品とあって、家のあらゆるところに色んな形の光があり面白かったです。空からの光を取り込むので、一期一会の作品に出会えるのは大きな魅力です。
宿泊施設として見ると、あまりオススメは出来ないので、一般で鑑賞だけするのが良いです。越後妻有のアート巡りのハイライトの一つにはなると思いますが、鑑賞時間が限られているため、訪れたい場合にはスケジュールをしっかり立てないと難しい場所でもあります。越後妻有里山現代美術館 MonETからは、車で20分程度なので、MonETの前後に入れるといいですね。
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光の館
住所 | 新潟県十日町市上野甲2891 |
電話番号 | 025-761-1090 |
開館時間 | 11:30 – 15:00 ※ 見学できない日、時期が変更される時期があります。 |
入館料 | 【大人(中学生以上)】600円 【小学生】300円 |
ウェブサイト | https://hikarinoyakata.com/ |