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【箱根】彫刻の森美術館 – 誰と来ても 何度来ても楽しめる、自然の中の美術館

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奥湯本の温泉宿「はつはな」をチェックインした後は子どもを連れてきてみたかった彫刻の森美術館にやってきました。はつはなからは車で約20分程度で到着しました。

箱根 彫刻の森美術館とは?

箱根 彫刻の森美術館は1969年に日本で最初の野外美術館(オープンエアミュージアム)として誕生しました。箱根の山々が望める約7万平方メートルの緑豊かな庭園には近・現代を代表する国内外の著名な芸術家の作品が約120点常設展示されています。

散策気分で広大な敷地を歩いているとお気に入りの作品を見つけてじっくり立ち止まって眺めたり、写真を撮ったり、自然の中ゆったりとした気持ちで芸術とふれあうことが出来る美術館です。

パブロ・ピカソの陶芸を中心に世界有数のコレクション319点を順次公開しているピカソ館や、小さなお子様も楽しい体験型展示、天然温泉の足湯など老若男女が楽しめる箱根観光の人気スポットです。

約7万平方メートルという広大な屋外美術館ですから、どのように回ろうかと思案したのですがとりあえずはぐるーっと時計回りに見ていくことに決めました。

子どもと一緒に楽しめる体験型展示

彫刻の森美術館は小さなお子様が楽しく過ごせる体験型展示もありますよ。「ポケっと」は体験型作品を中心とした芝生の休憩エリアで、カラフルな作品が多く子どもが楽しそうに遊んでいました。私も芝生でポケっとしたいところではありましたが、猛暑で日差しが強かったので断念。

松原成夫 / 宇宙的色彩空間(1968)
イサム・ノグチ / オクテトラ(1973)

ネットの森」は小学生以下の子どもだけが楽しめる特別な展示。ネットの中に入ってゴロゴロしたり、トランポリンのように飛び跳ねてみたり、ボールにぶら下がって遊んでみたりとアートを意識せずに楽しめる作品です。

かわいい目玉焼きのようなベンチ。

世界有数のコレクションを擁するピカソ館

ネットの森を抜けてさらに奥へと進むと「ピカソ館」にたどり着きます。こちらは世界有数の319点のパブロ・ピカソのコレクションを順次公開している施設。陶芸作品を中心に絵画や彫刻、タピスリーなどの多様な作品を鑑賞することが出来ます。(館内写真撮影不可)

ピカソと言えばキュビズムの絵画というイメージが強かったので、こんなに多くの陶芸作品を手掛けているとは知らず新鮮でした。ピカソは自分で作ったお皿で食事をしていたそうなのですが、デザインはもちろん、形もとても美しくて、ピカソの才能をまざまざと見せつけられたような感覚です。

印象に残った作品

約120点の常設展示の中でも印象に残った作品をいくつか。

フランソワ=ザビエ、クロード・ラランヌ / 嘆きの天使(1986)

入ってすぐ左手に見えたのはインパクト大のこちらの作品「嘆きの天使」。この写真はよく目にしたことがあったのだけど、実物を見てこの人が涙を流していることに気が付きました。水面の上に設置されているので涙がとめどなく溢れているように見えますよね。「どうしたの?悲しいことがあったの?」と思わず聞いてしまいたくなるような作品です。

ニキ・ド・サン・ファール / ミス・ブラック・パワー(1968)

大きな青空が広がる大地に堂々とした佇まいが目を惹くのはニキ・ド・サン・ファールの「ミス・ブラック・パワー」。カラフルな洋服を着てしっかりとした脚で立つこの女性からは強い意志と自信を感じました。

この作品は妊娠した友人を見て思いついたという、巨大な女性像シリーズ「ナナ」のひとつで、女性と黒人という二重の差別をポジティブにはね返し、その存在を高らかに賛美しているそうです。

アントニー・ゴームリー / 密着 Ⅲ(1993)

作者の身体から型を取ったもの。手足を精一杯のばして大地に身体を密着させているのが印象的。地球儀にこの人形をペタッと貼ってぐるぐる回して、でも必死にくっついて離れず「人間は地球の一部!大地そのものなんだ!」と叫んでいる、そんな想像を搔き立てられました。

ガブリエル・ロアール / 幸せをよぶシンフォニー彫刻(1975)

奥の塔の内部は外からは想像もつかない世界が広がっています。中央のらせん階段を囲んで色鮮やかなステンドグラスで万華鏡のような世界でうっとりしました。

いかがでしたか?このほかにも素敵な作品が多く展示されている彫刻の森美術館。家族や恋人、友人と「この彫刻のタイトルはなんだと思う?」とクイズをしながら歩くもよし、疲れたら足湯につかって休憩するもよし、じっくり作品について考察してみるのもよし、とアートへの造詣の深さに関わらず幅広い方が楽しめるスポットでした。天気や季節によっても作品の感じ方が変わると思うので、初めて箱根に来る方も、何度も来ている方も、是非訪れてみてくださいね。

彫刻の森美術館

住所神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
電話番号0460-82-1161
開館時間9:00〜17:00
** 入館は閉館の30分前まで
休館日年中無休
入館料【一般】2,000円
【大学生・高校生】1,600円
【中学生・小学生】800円
** 未就学児無料
ウェブサイトhttps://www.hakone-oam.or.jp/