【十和田】十和田市現代美術館 – 周辺のパブリックアートも必見

【十和田】十和田市現代美術館 – 周辺のパブリックアートも必見

2020年はコロナ禍で、仕事量が減少し、時間的余裕が出来たこともあって、何か知識を深めたいと思った一年でした。その中で特に興味を持ったのが現代アート(と建築)です。六本木や天王洲アイルのアートギャラリー巡りを始め、美術館に足を運んでみたり、アートに関連する書籍(まだ入門編)を読み漁ったり、少しずつですが知識が蓄積していく喜びを感じています。こうして学んでいくうちに、行きたくて堪らない美術館が生まれました。それが、青森県十和田市にある「十和田市現代美術館」。今回、念願叶って「十和田市現代美術館」に行ってきました!

三沢空港から車で約40分で十和田市の中心街に到着。十和田市現代美術館は、十和田市役所、十和田市民図書館、十和田市立病院と、市民の生活を支える施設が立ち並ぶ官庁通りに建っていて、この美術館も市民に親しまれるように作られたのだな、と想像できます。実際、十和田市は「Arts Towada」というプロジェクトを掲げ、アートをまちづくりに取り入れることで、人々が楽しみ、交流できる場を作ることを目的としているのですが、この点は既に実現しているように感じました。

西沢立衛設計の建物は、どこか21世紀美術館(石川県金沢市)を彷彿とさせます。それもその筈、21世紀美術館はSANAA(妹島君代&西沢立衛)が設計しているのです。『十和田市現代美術館は21世紀美術館の兄弟みたいなもの』と書籍で読んだのですが、実際に見るとそれがよく分かります。21世紀美術館は細かい部屋を大きな円で囲って一つの建物にしているのですが、十和田市美術館はその円を省いたよう。小さな箱から箱へ展示室が変わっていく様子はよく似ています。この小さな箱は「アートのための家」というコンセプトで、一つの箱(家)には独立した作品が恒久的に展示されています。これを知ると、十人十色な“アートさん”の家に順番にお邪魔させてもらっているような気持ちになるから面白い。

それでは、訪問した家を少しだけご紹介。

スタンディング・ウーマン / ロン・ミュエク

最初の展示室に入った瞬間、目に入ってくるのが巨大な彫刻作品。約4メートルあるその女性は、今にも動き出しそうなくらいリアルな作り。髪の毛の一本一本、そして腕の血管や肌の質感までリアルで美しく、恐ろしい。こんなに巨大で迫力がある彫刻ですが、その表情からはとても儚く繊細さを感じました。どこか不安がっているような、心配しているような。その印象も見る角度によって変化するので、とても興味深く印象に残った作品。

水の記憶 / 塩田千春

2015年に第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家として選出された塩田千春の作品が、2021年4月より新たに恒久展示として仲間入りしました。この作品は、十和田湖から着想を得ていて、作品に使用されている船も十和田湖にあったもの。そこから何層にも重なっていく赤い糸は生命でもあり、人と人の縁でもあります。「ほほう、確かに人との縁って、色んな場所で色んな人が交わって、明確にどのように繋がっているのかがわからなくてなるよなあ。私もこれくらい濃くたくさんの人と縁を繋いでいければ良いなあ。」なんて感じました。

PixCell-Deer#52 / 名和晃平

最新の技術を駆使して、新しい彫刻作品を作成し続けている名和晃平。彼の作品も2021年4月より寄託作品として展示されています(2023年9月までの予定)。鹿の剥製を透明の球体(セル)で覆った PixCell-Deer シリーズは今までにも何度か見たことがあるのですが、やはり美しく、印象に残るものでした。大小様々な大きさのセルがあるのですが、セルの中から見える剥製のイメージがどこも違っていて、不思議な感覚になるんですよね。

一通り作品を見終えたので、ミュージアムカフェ「cube cafe」で休憩。鮮やかな床が楽しい内装です。この床の柄、どこかで見たことあると思ったら、21世紀美術館でも使われているマイケル・リンの絵画作品(無題)でした。ここでも「21世紀美術館の兄弟」感。

青森県といえば…りんご!と、いうことで、「アップルパイ&ミルクジェラート」と「タルトタタン」をいただきました。アップルパイはシナモンが効いていて、タルトタタンはりんごがじっくり煮詰められ、とても柔らかくて美味しかったです。

美味しいスイーツを食べて元気が出たので、今度は美術館外のアート作品を鑑賞します。冒頭の写真でお気づきかもしれませんが、入館前から素敵なアート作品に出会えるんです。

▲ 夜露死苦ガール2012 / 奈良美智
▲ フラワー・ホース / チェ・ジョンファ
▲ アッタ / 椿昇

そしてそして、官庁通りの向かい側には、アート広場があり、子供達が楽しみながらアートに触れられる場となっています。特に草間彌生の作品周辺には何人も子供達が走り回って賑やかな風景も見られました。うちの娘もかぼちゃの中に入って、「ずっとここにいた〜い」とご機嫌。

▲ 愛はとこしえ十和田でうたう / 草間彌生
▲ ファット・ハウス/ファット・カー / エルヴィン・ヴルム
▲ ゴースト / インゲス・イデー

正直、十和田市中心街には他にこれといったスポットはないのですが、それでも「十和田市現代美術館」とその周辺アートを鑑賞しに訪れる価値があります。日本の現代アート界を牽引するアーティスト作品がこんなにギュギュッと詰まって恒久的に展示されている美術館は本当に珍しいのではないでしょうか。

ちなみに、建築ファンならば、安藤忠雄設計の十和田市民図書館や隈研吾設計の市民プラザ「トワーレ」鑑賞もおすすめです。

▲ 市民交流プラザ「トワーレ」 / 隈研吾

十和田市現代美術館

住所:青森県十和田市西二番町10-9
TEL:0176-20-1127
開館時間:【美術館】9:00 – 17:00(最終入館 16:30)
     【cube cafe&shop】9:00 – 17:00(カフェラストオーダー 16:30)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)、年末年始
    ***イベントや工事、メンテナンス等で臨時休館あり
入館料:大人 1,200円
ウェブサイト:https://towadaartcenter.com/