【長崎】パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ – 大自然の解放感を満喫できる海の囲まれた日本屈指のリンクスコース

【長崎】パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ – 大自然の解放感を満喫できる海の囲まれた日本屈指のリンクスコース

九州に縁のある友人達が数あるコースの中でも一番印象に残ると言う「パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ」で、ようやくプレーする事ができました。

ゴルフ好きの中でこの魅惑的な名前を知らない人はいないほど、今や全国屈指のシーサイドコースとして様々なゴルフコース人気ランキングの常連となりました。

長崎県大村半島から海に突き出した半島にあるシーサイドコースは三方を海に囲まれ、まるで海の上に浮かぶコースでプレーするような感覚で、「海・池が美しいコース」日本一に選ばれるほどの素晴らしい景観が広がります。

お洒落な名前の由来ですが、パサージュの語源はフランス語の「小径」とか「通過」の意味で、特にパリでは「歩行者に快適でお洒落な散歩道」を表す言葉となりました。

また、「琴海」とはコースのある大村湾の別称です。大村湾は長崎県の中央にまるで湖のように広がる海湾で、広さは琵琶湖の約半分ですが外海の五島灘に繋がる開口部はわずかで、全国的にも珍しい超閉鎖性海域です。そのため湾内の浜に穏やかに打ち寄せる波が琴の音にも例えられることから「琴海」と呼ばれ、一説には江戸時代の漢学者「頼山陽」が名付けたとも伝わるそうです。なんと甘美で洒落た名前ではないでしょうか!

訪れた日は前夜までの雨の余韻が残る曇天でしたが、クラブハウスの大きな窓ガラスの外に広がる美しく穏やかな海は雲間から差す光が漣波に踊り輝き、濡れた木立から滴る水滴の音が聞こえるような静寂が今日の素晴らしいラウンドを予感させてくれました。

しかし、この一幅の絵画のような美しいコースは3つの海越えを含む全長7,000ヤードを超え、2010年に日本プロゴルフ選手権、2015年に日本女子プロゴルフ選手権などプロのメジャー大会が開催された本格的チャンピオンコースなのです。

設計は「玄海の荒法師」の異名を持つ藤井義将で、彼は九州を中心に活躍して日本オープンや日本シニアプロなど多くのタイトルを獲得した名選手であり、また国内ツアー通算94勝、賞金王12度のレジェンドであるジャンボ尾崎など多くの後進を育てたことでも評価が高く、日本プロゴルフ殿堂入りも果たしています。

さてこの美しいシーサイドコースにある3つの海越えホールの中でも、最も印象的なシグニチャーホールは絶景の海の中に浮いているような3番ホール(184ヤード、パー3)でしょう。

ティーグランドは足元に海を見下ろす高台にあり、そこから10ヤード以上も下の小島のようなグリーンを狙って豪快に打ち出します。海風の見極めも重要であり、もし不安に駆られて手足が竦めば例え上級者であってもグリーンを捉える事は難しいでしょう。

日本でも池の中にグリーンが浮かぶコースは少なくないですが、海の中の浮かぶ(実際は半島だが)グリーンは見たことがありません。海外でも記憶にあるのはハワイ島にあるマウナケアリゾートホテルゴルフコースの3番ショートホールですが、ここもロバートトレントジョーンズ設計の名コースであり、ハワイでも最も美しく人気の高いコースの一つです。

もう一つ思い出すコースはインドネシアバリ島にあるパンパシフィックホテル(旧メリディアンホテル)ニルワナゴルフコースの7番ショートホールですね。ここもグレッグノーマン設計でインド洋とタナロット寺院を望む海越えコースはアジア一景色の美しいと言われるコースですが、現在は改修工事で閉鎖中のようです。

さて、3番ホールはティーショットを打ってから長い橋を渡って島に渡るとそのグリーンはティーグランドから見るより大分大きい事に驚きます。そしてグリーン中央は小高い丘のように盛り上がった二段グリーンで全体にアンジュレーションがきついのでパッティングも難しく、グリーンに乗せたからと言って喜んでばかりはいられません。因みに私もパーティーの中で一人だけグリーン奥にワンオンしたものの、案の定スリーパットしました。

続く4番ホール(524ヤード、パー5)はグリーンまで上りが続く左ドックレックの長いロングホール(HDC1)で、左側に海が迫りグリーン手前では崖がコース中央まで入り込み、その崖に向かってスロープになっている難ホールです。クロスバンカーはありませんがグリーン奥には大きなガードバンカーが隠れています。

8番ショート(143ヤード、ぱー3)はグリーンまでの間は大きな池が続きますが、大きなクラブを選択して奥にある二つの大きなバンカーに入れると次のショットが池に入るリスクも大きいホールです。また横長の大きなグリーンはアンジュレーションがきつくカップを狙ったはずのパットが思わぬ方向に流れる事があり、慎重なパッティングが要求されます。

9番(419ヤード、パー4)は長いミドルホールでティーグランドの前には池があり、コース全体が左傾斜なのに右側にはクロスバンカーが並びシーショットの落としどころが限られます。更にグリーン手前には水路が横切っていて2オンを狙うかレイアップするかクラブ選択が難しいホールです。

インコースでは16番と17番が谷越えとなります。16番(381ヤード、パー4)はティーグランド前に入り江が入り込み、フェアウェーまで150ヤード以上のキャリーが必要な難ホールで、ギリギリで越えても手前に戻る事すらあります。セカンド地点からは左に曲がる打ち下ろしとなり、比較的小さなグリーンは4つのバンカーがしっかりガードしています。

17番(159ヤード、パー3)も大きな谷を越える必要があり、谷を越えた先には大きな二つバンカーが待ち受け、グリーンは縦長で奥には深い杉林があるので距離感を掴むのが難しいホールです。

そしていよいよ18番ホール(522ヤード、パー3)は池が迎えてくれる美しい最終ホールです。しかし2打地点から左ドッグレックし、その左側に沿って大きな池が続きグリーンを狙うには正確な距離感と方向性が要求され、全てのショットでプレーヤーの技量と戦略が試されます。

さて、難コースでヘトヘトになってラウンドを終えたら、クルーズ船のような大きな窓のある素晴らしいクラブハウスのレストランで大村湾を望めながら地場の新鮮な食材を使った長崎名物料理が楽しめます。多くのメニュの中でもイカ墨を使った「黒チャンポン」が人気なので、是非お試し下さい。

また、併設されたリゾートホテルも真っ白な外観が青い海の景色に映えて地中海リゾート気分を味わえ、旬の食材を味わえるレストラン、プール、プラベートビーチ、エステやスパまであるゴージャスな施設などから「泊りがけで楽しむゴルフ場ランキング」でも上位を占めます。

長崎市内からの道は半島の中をうねって走るので時間がかかりますが、長崎空港が同じ大村湾の中にあるので、リゾートと空港が専用の高速船で約30分結ばれています。

飛行機を降りて喧騒をくぐらずに快適な高速艇で直接海を渡って訪れる事が出来るオーシャンリゾートコースで、美しい海を眺めながら時を忘れゆったりとした時間を過ごす非日常的ゴルフをお楽しみ下さい。

パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ

住所長崎県長崎市琴海戸根原町171
電話番号095-884-3991
ウェブサイトhttps://pk-islandgolf.jp/