ゴルフコース

【栃木】プレステージカントリークラブ – 偉大なるレジェンド「ジャンボ尾崎」の奇跡の地で優雅なプレーを

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最近の男子プロゴルファーで活躍が目立つのはやはり今年のマスターズ初制覇の快挙を成し遂げた松山英樹選手でしょう。しかし彼はアメリカツアーを主戦場としているので日本でその活躍ぶりを見る事が出来ないのがゴルフファンにとっては残念です。
近年の男子プロゴルファーで最も印象に残る活躍をした選手は誰でしょうか?
これまでのマスターズ日本人最高成績4位やツアー通算31勝の片山晋呉選手や全英オープン日本人最高成績の4位やツアー通算30勝でオリンピックチームヘッドコーチを務めた丸山茂樹選手。15歳でツアー最年少優勝し「ハニカミ王子」ブームが社会現象にもなった石川遼選手の最近の復調ぶりも印象的ですね。

ひと世代前に目を転じると80年の全米オープンでジャックニコラウスと有名な死闘を演じ、生涯通算ツアー優勝51回の青木功選手、もしくは日本人で初めて世界4大メジャー大会全てで10位以内を記録しツアー優勝48回の中島常幸選手、そして二人と共に「AON時代」と呼ばれる男子プロゴルフ黄金期を担った尾崎将司選手がいます。その大柄な体型や驚きの飛距離から「ジャンボ」の愛称で親しまれる彼こそは歴史に残る日本プロゴルフ界のスーパースターではないでしょうか。

高校時代は徳島海南高校野球部で活躍し、64年春にはエース投手として甲子園に初出場・初優勝を果たしています。卒業後は西鉄ライオンズに入団しプロ野球選手となりますが、早々に見切りをつけ70年にプロテストに一発合格しゴルファーに転じました。
翌71年には早くも「日本プロゴルフ選手権」で初優勝するやその後3か月間に5勝する活躍で周囲を驚かせ、以降メジャー14勝を含むプロツアー94勝や賞金王12回の前人未踏の記録を打ち立てます。また73年にはマスターズ日本人初の8位などで早くも賞金王に輝き、その後もマスターズには通算18回出場したほか79年の全英オープンと89年の全米オープンでもベスト10入りを果たすなど海外でも活躍します。

96年にはダンロップフェニックスを三連覇して通算100勝達成、97年には世界ランキング5位、02年の「全日空オープン」では55歳で最年長ツアー優勝、05年に通算1,000試合出場、13年66歳の時に「つるやオープン」初日に62打のスコアで回りツアー史上初のエージシュート達成、17年にも70歳で二度目のエージシュート達成のなど異次元の実力と輝かしい大記録でファンに強い印象を残しています。

尾崎選手の目を見張る活躍でゴルフブームに火がついて試合数(71年34試合→73年52試合)や賞金額が飛躍的に増加したほか、年間賞金獲得額によるシード制導入など現在のプロゴルフトーナメントの基盤を築く立役者でもありました。
10年には世界ゴルフ殿堂入りを果たしていますが、74歳を迎えた今日でもシニアツアーには一度も参加せずレギュラーツアー参戦にこだわり続けて男の美学を貫いています。最近では「ジャンボゴルフアカデミー」を主宰して若手選手の育成に力を入れ、昨年の日本女子オープン覇者の原英莉花選手や今年の全米女子オープンを制した笹生優花など女子トップ選手を指導している事でも有名ですね。

その尾崎選手がその存在感を強くする理由の一つが大逆転勝利でしょう。90年のフジサンケイクラシックなど過去4回も8打差を逆転して優勝するなど奇跡とも言える勝利がファンを魅了してきました。

その劇的な逆転勝利の一つが1991年第59回「日本プロゴルフ選手権」でした。

初日は弟の尾崎直道が首位でジャンボは14位のスタートでしたが二日目は20位に後退し、そして迎えた最終日にジャンボは何と1イーグル9バーディーの61と言うとてつもないスコアをたたき出して2位に6打差をつけ逆転優勝したのです。しかも池越えの最終18番ホールの大観衆の前で見事イーグルを決めての勝利、こんなドラマを見せられたら嫌でも印象に残りますね。そのアイランドグリーンに渡る石橋は後に「ジャンボブリッジ」の名称がつけられました。因みにこの試合で「AON」の中島選手は6位、青木選手は9位でした。

1926年から始まった「日本プロゴルフ選手権」は日本で最も歴史と伝統があり名実ともに日本一のプロゴルファーを決める戦いで、ベテランから若手まで有力プロ選手が目の色を変えて臨む戦いです。尾崎選手は前述の通り71年にプロになって初優勝がこの大会であり、その後も全部で6回の優勝を果たしています。その中でも印象的な優勝を飾った1991年の「日本プロゴルフ選手権」の開催コースがここ「プレステージカントリークラブ」なのです。

そして「日本プロゴルフ選手権」の翌年1992年に同じコースで開催された第18回「日本プロゴルフマッチプレー選手権」では「AON」の一人中島常幸選手が優勝を飾り、まさに全盛期のAON三人が日本のプロゴルフ界をけん引した時代でした。尚、「日本マッチプレー選手権」は賞金獲得額上位32選手が争うメジャー大会で1975年から2003年まで29回開催され、尾崎選手は89年の15回大会で優勝していますが、中島選手は3回優勝、青木選手は二連覇2回を達成しています。

「プレステージカントリークラブ」は所在地梓町の地名からとった「梓ゴルフ倶楽部」として計画され1988年に開場しましたが、その後経営が変わり2003年には米投資ファンドローンスター傘下のPGMによる経営となり、更に2017年にはPGM傘下のコースの中で16か所しかないハイグレードコースである「Grand PGM」の一つとなっています。
コースは比較的フラットでフェアウェーは広々とし、距離のあるダイナミックなアメリカンスタイルの36ホールです。大きな池や大理石を細かく粉砕した真っ白い砂のバンカーが適所に配置された美しい林間・丘陵コースで、各ホールの攻略には飛距離と正確なショット、戦略性が要求される本格的チャンピオンコースでもあります。

設計は米国と日本で200か所以上のコースを手掛けたアメリカ人設計家J・マイケルポーレット(J. Michael Poellot)です。彼は著名なコース設計家ロバート・トレントジョーンズSr.の下で設計を学び、池やビーチバンカーなどを用いた近代的なアメリカンスタイルの造形美を持つ設計で知られていますが、単なるアメリカンスタイルでなくゴルフ発祥の地スコットランドのリンクス設計思想も反映したコースレイアウトが特徴と言われています。

ではジャンボ尾崎選手が劇的な優勝を飾った東コースを見て行きましょう。

1番ホール(460ヤード、パー5)スタートは真っすぐで広々とした緩やかな打ち下ろしの距離のないロングホールです。気持ちよくティーショットを打って、スタートから好スコアを狙いたいですが、グリーン右手前の大きなバンカーには注意が必要です。

2番ホール(377ヤード、パー4)緩やかに左にドッグレックし、右側はOBとなる崖が続くホールで各ショットは気が抜けません。グリーン右手には縦長のバンカーもあるので、左側のカート道路方向を狙いたいです。

3番ホール(308ヤード、パー4)広々とした短いミドルホールでパーを取りやすいですが、ティーショットの落としどころにある大きなクロスバンカーが効いています。

4番ホール(133ヤード、パー3)大きな池がフェアウェー右手からグリーンを囲むよう続き、ドローヒッターにはプレッシャーを感じさせます。美しいショートホールですがグリーン周囲には池だけでなく3つの大きなバンカーもあるので正確なティーショットが必要です。

5番ホール(395ヤード、パー4)緩やかに右へドッグレックする長めのミドルホールですが、2番同様右側に向けて傾斜しているので左側から攻めていきたいです。

7番ホール(141ヤード、パー3)フラットで広々としたショートホールでプレッシャーを感じることなくティーショットが打てますが、グリーン左の大きなガードバンカーはティーグランドから見るよりかなり大きいので注意が必要です。

8番ホール(555ヤード、パー5)ダイナミックにS字を描く印象的なロングホール。広々としたやや打ち下ろしでティーショットは気持ちよく打てますが、グリーン左手前には大きな池とガードバンカーがあるので無理せず右側から行きたいです。

9番ホール(355ヤード、パー4)クラブハウスに向かって真っすぐ続くミドルホール、フェアウェー左のクロスバンカーに注意すればパーが狙いやすいです。

10番ホール(483ヤード、パー5)真っすぐでフラットな距離のないロングホールで、バーディーを狙って行きたいホール。ティーショットが右に行くと傾斜の下まで行ってしまうので注意が必要です。

12番ホール(145ヤード、パー3)ここも真っすぐでやや打ち下ろしのショートホール、ガードバンカーは右手前のみでプレッシャーはないですが、グリーンが砲台なので距離感を掴むのがやや難しいです。

13番ホール(412ヤード、パー4)距離のある打ち下ろし右ドッグレックホールで、右側には崖と池のOBが続き大きなバンカーもあるので左側から攻めるしかない、最も難しいミドルホールです。

15番ホール(298ヤード、パー4)やや打ち上げですが距離はなく最もパーをとりやすいミドルホールですが、ティーグランド付近の左右に大きな木が迫っているで狭く感じます。

16番(379ヤード、パー4)フェアウェーの左右に大きなクロスバンカーがあり、バンカーの先から大きく左にドッグレックしています。また細長いグリーンの左側にはガードバンカーが続いているので慎重に攻める必要があるミドルホールです。

17番(171ヤード、パー3)距離が十分あり右手はグリーンまで大きな池が続く、最も難しいショートホール。アベレージゴルファーはリスクを避けて右側から確実に攻めるべきでしょう。

18番ホール(520ヤード、パー5)ジャンボ尾崎選手が日本プロ選手権で劇的なイーグルをとった有名なホールです。クラブハウスの正前で真っ白いバンカーと池に囲まれた美しいアイランドグリーンはフェアウェーからまるで半島のように続き、とても印象的なホールです。しかし、そのグリーンを第三打で正確に捉えるのは容易でなく、攻略には十分戦略を練る必要がある難しいホールです。上手くオンする事が出来たら「ジャンボブリッジ」を渡って堂々とグリーンに向かう事が出来ます。

そのクラブハウスは白い円柱と深いブルーのカーペット、大理石を用いた壁面と華麗な装飾が施された欄干が、豪華で格調高い雰囲気を醸し出しています。大きな窓から池に囲まれた美しいグリーンを一望でき、ゆったりとしたダイニングルームはメニューも豊富で名シェフの料理を堪能できます。

また際立つ広さのロッカールームからガラス張りで眺めの良い渡り廊下の先にある大きな曲線を描くガラス窓に囲まれた大浴場では、まるで日本庭園のような風雅な景色を眺めながらゆっくりプレーの疲れを癒す事ができます。

東北自動車道栃木インターから約10分の好立地にあり、優雅な風格のあるチャンピオンコースで感動的なプレーを楽しんでみませんか。

プレステージカントリークラブ

住所栃木県栃木市梓町455-1
電話番号0282-31-1111
ウェブサイトhttps://www.pacificgolf.co.jp/prestige/