江戸幕府初代将軍徳川家康が、天皇の住む京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所とするため築城した二条城。1863年に15代将軍慶喜が二の丸御殿で「大政奉還」の意思を表明したことは日本史上あまりに有名です。徳川家の栄枯盛衰を見てきた二条城は貴重な歴史遺産であり、1994年には世界遺産にも登録されています。
そんな二条城の向かいに2020年11月に開業したのが「HOTEL THE MITSUI KYOTO(ホテル ザ ミツイ キョウト)」です。正確に言うと、ホテルは二条城に背を向ける形で建っているので、ホテル入口は少し先の油小路通り。通りを歩くと住宅街といった感じで、よくこんな一等地にこんな大きなホテルを建てられたなあと感心しました。
実は、この土地は元々250年以上にわたって存在した三井総領家(北家)の邸宅。18世紀初頭から明治初期までは財閥・三井家の中枢部として大元方(おおもとかた)も設置されていました。第二次世界大戦後は、財閥解体の影響を強く受け、この油小路の邸宅も手放すことになり、その後は『京都国際ホテル(1961-2014)』として親しまれていましたが、数十年の時を超え再び三井の手に戻ってきたのです。
テーマとコンセプト
テーマ:「継承と新生」
250年前から受け継がれてきた門や灯篭などの遺構とともに、この地に刻まれた「時の記憶」を踏襲しながら新たに現代に蘇らせます。
ブランドコンセプト:「日本の美しさと -EMBRACING JAPAN’S BEAUTY-」
伝統文化や建築、工藝、食などに見られる日本独自の美しさを大切にしながら、細やかな心遣いと洗練された振る舞いによって、すべてのお客様に特別な体験とくつろぎを提供します。
梶井宮門
ホテルに到着すると、まず出迎えてくれるのがこちらの門。とってもかっこよくて私のお気に入りなのですが、こちらはかつて三井総領家も所有した300年の歴史を持つ門。外観はかつてのままながら、構造的には現代にアップデートされていて、安全性・耐震性も現在基準に進化を遂げています。
庭園
時間ごと、季節ごとにその時だけの姿を見せてくれる庭園もこのホテルの見どころ。ロビーや客室から眺めるのももちろん素晴らしいのですが、実際に庭園を歩いてみるのもとても心地よくておすすめです。
こちらも三井家の時代から受け継がれたもので、東京・銀座にある「GINZA SIX ガーデン」などを手掛けたランドスケープデザイナー宮城俊作氏が現代に再生したもの。
工藝・アート
ロビー、客室、レストラン、廊下などホテルのいたるところは素敵な工藝、アートに溢れていて見どころだらけ。
客室
私が宿泊したのは「プレミアルームツイン」。1階で庭園とは反対向きにあるお部屋のため、お部屋からの景色はほぼありません。私たちは見たければ自分で庭園散策に行くので特に気にならなかったのですが、お部屋からの景色を楽しまれたい方は、ガーデンビューがおすすめです。
お部屋のカラーも風合いもとてもナチュラルでやさしく、心からリラックスできるインテリア。子供たちもそう感じたのか気が付くと気持ちよさそうにごろごろ。これ、疲れているからじゃないんですよ、ニコニコしながらごろごろしているんです、リラックスなんです。
こちらはHOTEL THEMITSUI KYOTOオリジナルキャラクターの「白虎(びゃっこ)」ちゃん。とってもかわいいぬいぐるみ、子ども1人に1ついただきました。それぞれお顔が違うので愛着が湧きそう。また、館内にはホテルスタッフの制服を着た白虎ちゃんもいるので是非さがしてみてください。
子供むけにスタンプラリーも開催しており、家族みんなで館内を散策して歩きました♪
目にも嬉しいウェルカムスイーツ。和菓子、洋菓子とどちらもいただけるなんて有難い!
洗面所は朝の支度にとっても嬉しいダブルベイシン。
浴槽の隣にガラス窓があるのですが、個人的にここからテレビが見られるのが嬉しかった!
ちなみにガーデンルームはこんな感じ。窓からは庭園が見下ろせます。
朝食
朝食はイタリアンレストラン「FORNI」にていただきました。メインのお料理を選べるセミビュッフェ方式で、ビュッフェ台には焼き立てのパンや京都のおばんざい、お腹にやさしいヨーグルト、フルーツなどなど大満足のラインナップ。
メインはスモークサーモンのエッグベネディクトをチョイス。エッグベネディクトと聞くとついつい選んじゃうんですよね…
キッズブレックファストは洋食・和食セットから選ぶことができます。そのメニュー表も塗り絵になっていて、大人が食事している際に子どもを飽きさせない素敵な心遣い。
館内施設
ラウンジ
大きな窓から庭園を望むロビーラウンジ。お部屋をご案内いただく前にこちらでお茶とお菓子をいただだいて一息。
天井高はロビーの2倍あり開放的な空間です。天井から吊り下げられているアートには、庭園の水面をそのままデザインしたような模様が施されています。
茶居
ラウンジ横の茶居でお茶を味わうプログラムもありますよ。
ライブラリ
京都や日本に関する書籍が数多く取り揃えられているライブラリ。展示されている工芸品にも目を奪われます。
サーマルスプリング
実は京都には温泉が湧いているのです。地下1000mから湧く天然温泉のサーマルスプリングは、光と水、石、音が織りなす神秘的な空間。水着を着用して楽しめる男女共用のサーマルスプリングはまるで洞窟の中にいるかのようなちょっとスピリチュアルな雰囲気。朝一番に行くと貸切状態で楽しめましたよ!
さてさて、ホテルが二条城の通り挟んで向かいということなので、この日、二条城行われていた特別プログラム「NAKED FLOWERS」というプロジェクションマッピングイベントにも行ってきました。とても肌寒い日だったのですが、夜に外出しようと思えるのもこの近さゆえ。こちらのイベントは終了していますが、あなたの滞在中にも素敵なイベントを開催しているかもしれないので、是非スケジュールをチェックしてみてください。
伝統とモダンが融合したラグジュアリーな空間での滞在は京都旅行の思い出に深く刻まれるはず。次の京都旅行は「THE HOTEL THE MITSUI KYOTO」を選んでみては?
HOTEL THE MITSUI KYOTO
住所 | 京都府京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284 |
電話番号 | 075-468-3100 |
ウェブサイト | https://www.hotelthemitsui.com/ja/kyoto/ |