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【小金井】江戸東京たてもの園 – どこか懐かしく感じるレトロな世界

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2024年のゴールデンウィークに東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」に行ってきました。

「江戸東京たてもの園」は江戸・東京の歴史的な建物を移築保存し、そのままの姿を展示する目的で東京都江戸東京博物館の分館として1993年に開園しました。現地保存が難しくなった江戸時代から昭和初期までの建物が約30棟展示されており見ごたえたっぷりの野外博物館です。

マスコットキャラクターはほのぼのした表情の「えどまる」くん。実はこちら、宮崎駿さんが制作されました。スタジオジブリの本社も小金井市にあることから、宮崎駿さんも江戸東京たてもの園には度々足を運んでいたそうです。えどまるくんは、緑豊かな野外博物館のマスコットにふさわしい色をイメージしこのカラーになりました。

園内は西ゾーン・センターゾーン・東ゾーンに分かれています。センターゾーンのビジターセンターから入園しお好きなように散策しましょう。私はお目当てのこどもの日イベントが行われていた"東ゾーン"から見学しました。

東ゾーン

大正から昭和にかけての下町風情を感じられる東ゾーン。自分の生まれ育った時代とは違うはずなのにどことなく懐かしい気がするのはなぜでしょう。このエリアはスタジオジブリの大ヒット作品「千と千尋の神隠し」のモデルにもなっています。

通りの中にある「武居三省堂(たけいさんしょうどう)」は昭和初期に創業した文房具屋で、書道用品の卸しを営んでいた当時の様子を再現しています。店内には天井までぎっしり詰まった桐の引き出しがあります。こちらは「千と千尋の神隠し」に登場する釜爺のボイラー室のモデルとのこと。

また下町通りの突き当りにある銭湯「子宝湯」も「千と千尋の神隠し」の湯屋「油屋」を制作する上で大いに参考にされた場所。「油屋」のモデルは愛媛県の道後温泉や他の温泉など色々な要素が混ざっているそうですが映画の設定である「商店街の一角にそびえ立つ銭湯」に大きなインスピレーションを与えたのがこの風景なんです。「油屋」の方が巨大な建物なので、建物としてモデルにされたかはさておき、ここにくれば「千と千尋の神隠し」の世界に入り込めるといっても過言ではない!

また、人気漫画「ゴールデンカムイ」に出てくる建物もちらほら…。私は「千と千尋の神隠し」はもちろん見たことがありますし、「ゴールデンカムイ」も読んだことがあるので懐かしさを感じたのかもしれません。これらの作品ファンはもちろん、大正・昭和レトロの雰囲気を感じられるこの「下町通り」は散策しているだけで面白いですよ。

センターゾーン

最初に足を踏み入れるセンターゾーン。入口となっているビジターセンター(旧光華殿・きゅうこうかでん)は1940年に皇居前広場で行われた紀元2600年記念式典のために建設された式殿です。1941年に現在の小金井公園に移築され、江戸東京たてもの園の開園にあたり、ビジターセンターとして改修されました。

センター内にはインフォメーションのほか、園内散策に役立つ導入展示やライブラリー、マスコットキャラクター「えどまる」くんのグッズなどを販売しているミュージアムショップやカフェなどがあります。

第20代内閣総理大臣・高橋是清の赤坂での住まい「高橋是清邸」があるのもセンターゾーン。靴を脱いで室内を見学することができます。さすがは総理大臣、とっても立派なお屋敷でした。2階にも上がれるのですが、2階のお部屋というのが「二・二六事件」の舞台。当時大蔵大臣だった高橋是清は反乱軍の青年将校らに撃たれ、この家で命を落としました。

西ゾーン

最後に西ゾーンにやってきました。こちらには日本の近代建築をけん引した建築家・前川國男の自邸「前川國男邸」を見学できます。品川区上大崎に1942年に建てられた住宅で、戦時体制下で建築資材の入手が困難な時期に建てられたのだとか。戦下ということもあり、建物の広さにも制限がありました。日本のモダニズムの巨匠の自邸という事で個性あふれる家なのかと勝手に想像していたのですが、思ったよりも地味で拍子抜けしました。今考えると戦下に目立たないよう敢えて黒っぽく純和風の家にしたのだと思います。

中に入ってみると、外観からは想像もつかないほどモダンで洗練された雰囲気。知識が乏しく言葉で説明するのは難しいのですが、ただただ"おしゃれ!!!"と感じる内装。80年前に作られたデザインとは思えないほど今でもとっても魅力的。リビングは木製の家具が多く日本ぽい雰囲気なのですが、バスルームやキッチンはタイル張りでなんだかフランスにいるかのよう。

さて、今回は東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」についてご紹介しました。この他にも歴史的に重要な建物や魅力的な建物がたくさんあるので是非訪れてみてください。

江戸東京たてもの園

住所東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)
電話番号042-388-3300(代表)
開園時間4月~9月:午前9時30分~午後5時30分
10月~3月:午前9時30分~午後4時30分
※入園は閉園時刻の30分前までとなっています。
休園日毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、その翌日)
年末年始
入園料【一般】400円
【65歳以上の方】200円
【大学生(専修・各種含む)】320円
【高校生・中学生(都外)】200円
※中学生(都内在住または在学)・小学生・未就学児童は無料です。
ウェブサイトhttps://www.tatemonoen.jp/