はじめに
歴史、文化、伝統工芸 そして・・・
その街並みやお茶屋文化があることなどからしばしば京都と比較され、事実2008年までは小京都として観光PRを行っていた金沢ですが、今は独自の文化継承や観光都市としての発展を遂げ、世界的にも注目を集めています。2015年に北陸新幹線が開通してからは更に多くの観光客が訪れるようになった、まさに人気観光地です。
今回はそんな唯一無二の魅力を持つ街・金沢を紹介させていただきます。
受け継がれる歴史と伝統
金沢を中心に伝統工芸が盛んな石川県。その数なんと36種類!美術品のみならず、日用品まで幅広い分野で受け継がれているのはさすがです。そのルーツは加賀藩前田家が取り組んだ文化奨励策にあると言われています。外様大名ながら百万石の大藩を築いた前田家は、幕府の警戒を解くために文化振興に力を注いだことが今に受け継がれているのです。
また戦災を逃れ、自然災害が少ないことも、この美しい町並みや独特の文化が脈々と受け継がれることにつながっているのでしょう。確かに地震も少なく台風などの影響も少ない金沢。地元の方は『白山が守ってくれるから』と常々に口にされていますが、あながち間違っていないようです!
金沢へようこそ!
多くの方が特急や新幹線を利用して金沢に到着されると思いますが、そんな皆様をお迎えするのがJR金沢駅・兼六園口にある鼓門です。今から金沢にお出かけしようという皆様にお伝えすべきことではないかもしれませんが・・・実は石川県【年間降水日数】日本一なんです!地元には『弁当忘れても傘忘れるな』という言葉もあるほど、とにかく雨が多い。そんな金沢にお越しになられた皆様に“傘を差し出すおもてなし”ということで誕生したのが、この鼓門です。金沢の伝統芸能である能楽で使われる鼓イメージして作られたもので、【世界で最も美しい14の駅】の一つに選ばれているんですよ!
メインスポット
歴史・文化・芸術・建築などなどなど、とにかく長い歴史に裏打ちされた魅力的なスポットが満載の金沢!ここではその中でも是非というメインスポット紹介させていただきます。
兼六園
日本三名園の一つとしても有名な兼六園。1676年、加賀藩によって金沢城の外郭として造園されたことが起源の日本庭園で、1874年から一般公開されるようになりました。兼六園は【宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望】のそれぞれ相反する六つの景観(六勝)を兼ね備えていることからこの名がついたと言われています。
兼六園の魅力は何と言っても四季を通してその美しさを堪能できるところだと思います。色とりどりの花が咲き誇る春、新緑の夏、色づく木々を愛でる秋。そして冬。雪に覆われた日本庭園の荘厳さは想像できるかと思いますが、冬の兼六園の魅力はそれだけではありません。雪の重みで樹木の枝が折れないように縄で枝を吊る【雪つり】が施されている園内を見る事ができるのは冬ならでは。これぞまさに金沢の冬の風物詩!
兼六園周辺には成巽閣や金沢神社、石川県立伝統産業工芸館、石川県立美術館など、見どころたくさんです!是非合わせて足を運ばれてみて下さい。
ひがし茶屋街
重要伝統的建造物群保存地区にも指定されているひがし茶屋街。石畳の路地に風情のある町屋が立ち並ぶ、まるでタイムスリップしてしまったかのようなエリアは、金沢の文化や芸術が今に受け継がれていることを感じられる場所です。同時に町家を活かしたお店やカフェ、レストランも多く、観光客の人気スポットになっています。“映え”写真もたくさん撮れますよ♪
金沢21世紀美術館
地元では“21美(にじゅういちび)”の愛称で呼ばれている金沢21世紀美術館。全国的に美術館の赤字が問題になる中、金沢の工芸やデザインに刺激を与え、新しいものを生み出す土壌を育成するという理念の元2004年に開館しました。今では全国的な知名度を誇り、多くの観光客が21美目的で金沢に足を運ばれていると言われているほどです。
美術館は妹島和代さんと西島立衛さんの建築家ユニット・SAANAが、誰もがいつでも立ち寄れ、様々な出会いや体験が可能となる公園のような場所を目指して作られました。多くのガラスが使われている建物は透明である事、明るい事、開放感がある事が追求された素敵な空間です。
鈴木大拙館
多くの外国人にも通じる日本語・ZEN(禅)。そのZENという言葉を西洋で初めて使用したと言われている人、どなたかご存知ですか?まさにここ金沢出身の鈴木大拙がその方です。彼は禅をはじめ、仏教や東洋の文化や思想を海外に伝えたことで知られ、彼の功績を広く国内外の人々に伝えることを目的に開設されたのがここ、鈴木大拙館です。
禅の世界観を体現する建物 - 【水鏡の庭】を眺め、【思索空間】でぼぉーっとするだけで禅の思想に近づけるような気がします。
近江町市場
金沢の中心部に位置する近江町市場。300年の長きに渡って金沢市民の台所として親しまれてきました。狭い小路には日本海の海の幸を扱う鮮魚店から、金沢の伝統野菜・加賀野菜を扱う青果店まで約170点が軒を連ねています。もちろん金沢と言えば海鮮丼という方、お待たせいたしました。北陸の海の幸、心ゆくまでご堪能下さい!
長町武家屋敷跡
伝統環境保存区域および景観地区に指定されている長町武家屋敷跡。昔ながらの土塀や石畳の小路が残り、豪壮な武家屋敷が立ち並ぶエリアは、ひがし茶屋街とはまた違った趣です。まさに金沢の懐の深さを感じますね。唯一一般公開されている武家屋敷跡・野村家では、格式ある建物と美しい日本庭園を見る事ができます。
最後に・・・
金沢は他の観光都市と比べるとコンパクトな街ですが、その多彩な魅力は無限大・・・
知的好奇心を満足させてくれるだけでなく、お腹も満足させてくれる。
まさに加賀百万石の城下町、おみそれしました!