奈良の観光地として抜群の人気と知名度を誇る「東大寺」は、春日大社と同じく奈良公園の敷地内にあります。今回、久し振りに東大寺に行ってきたのでご紹介します。
「奈良の大仏さん」で知られる東大寺は、奈良時代の代表的な寺院。その大仏殿は世界最大級の木造建築物です。日本人に「奈良と言えば?」と聞くと「大仏!」とほとんどの人が答えるほどの知名度なんですよ。
大仏様の正式名称は「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」。聖武天皇が743年に政変や飢饉等で苦しむ民衆のため、動物や植物含む生きとし生けるものすべての幸福を願い造ったものです。
東大寺の大仏殿を目指して歩いていると、まず現れたのが南大門。その大きさに圧倒されます。大きいので遠近感がおかしくなるのか、もうすぐだと思っても、門までの距離が予想以上にありました。
こちらは、鎌倉時代に再建されたもので、国宝に指定されています。門の高さは25メートル以上あり、日本最大の山門です。
南大門の左右には「金剛力士像」が安置されています。門に向かって左側が「阿形(あぎょう)像」、右側が「吽形(うんぎょう)像」です。一般的な配置とは逆になっているのも東大寺の特徴。
残念ながらこちらも創建時のものではなく、鎌倉時代に再建されたもので、こちらも国宝です。実は、近年行われた解体修理の際に、驚くべき事実が判明したのですが、鎌倉時代(1203年)の仏師である運慶快慶とその弟子たちはたった69日間で2体とも造立したとのこと!
像の大きさは8.4メートルもあり、迫力満点。下半身に比べ上半身がかなり大きくなっているため、下から見上げると調和がとれた姿を拝むことが出来ます。
南大門をくぐってさらに歩くと見えてくるのが中門。その先に大仏殿があります。
拝観料を支払うと大仏殿に入ることが出来ます。世界最大級の木造建築がどーんと鎮座。この日は天気が良かったこともあって、左右対称な大仏殿がさらに美しく見えました。
大仏殿の中に入ると、「奈良の大仏さん」に会うことが出来ました。座高約15メートルの大仏様の存在感は群を抜いています。幾度もの戦の被害を受けてきたため、奈良時代・鎌倉時代・江戸時代と何度も修復された大仏様。部分ごとに修復の時代が異なります。
大仏様の右手は「畏れることはない」という意味を、左手は「人々の願いを叶えよう」という意味を表しているんですよ。
大仏様の背後もぐるっと回ることが出来るんですよ。大仏殿には大きな柱に30センチ×37センチの大きさの穴が空いているものがあるのですが、これは大仏様の鼻の穴と同じ大きさ。穴をくぐると「無病息災」の願いが叶うとのことで、大仏殿の名物にもなっています。
※当分の間、新型コロナウィルス拡大防止のため「穴くぐり」を中止しています。
その他、東大寺の中で最も古い法華堂(三月堂)や二月堂、東大寺ミュージアムなど国宝が多数展示されています。東大寺をじっくり回ると丸一日はかかるほど東大寺の文化財は貴重なものばかりです。是非東大寺で、日本の歴史を思う存分感じてください。
東大寺
住所 | 奈良県奈良市雑司町406-1 |
電話番号 | 0742-22-5511 |
拝観時間(大仏殿) | 【4月〜10月】7:30-17:30 【11月〜3月】8:00-17:00 |
拝観料 | 【大人・高校生・中学生】600円 【小学生】300円 |
ウェブサイト | http://www.todaiji.or.jp/index.html |